第6話

翌日、凜は学校に到着すると、同級生たちの視線が自分に集まっていることに気が付いた。彼女が廊下を歩いていると、いくつかのクラスメートがヒソヒソと話しながら、凜の方を見ているのがわかった。授業が始まると、凜は自分の席に座り、心配な気持ちで待っていた。


授業が始まると、突然、背後から囁き声が聞こえた。「凜ちゃん、昨日の質問って、ちょっと生意気じゃない?」「先生に意地悪なんてどういうこと?」


凜はその言葉に耳を澄まし、少しずつ心が重くなっていった。授業が進む中で、同級生たちの視線と囁きが気になり、集中するのが難しかった。


放課後、繭が教室にやってきた。彼女は凜が心配そうにしているのを見て、そっと近づいた。「凜、大丈夫?なんだか辛そうだね。」


凜は目を伏せながら、肩を落とした。「うん、実は昨日、先生に質問したことで、同級生たちに生意気だって言われたんだ。なんだか、すごく辛いよ。」


繭は優しく凜を見つめ、彼女の手を取りながら言った。「凜、そんなことで気にしないで。君は自分の考えを持っているし、質問することは悪いことじゃないよ。」


「でも、みんながそう言ってると、自分が間違っているんじゃないかって思っちゃう。」凜はまだ不安そうだった。


繭は凜の目を見つめ、真剣な表情で続けた。「凜がやっていることは、実はとても大事なことなんだよ。みんながそれを理解できないのは残念だけど、君が正しいと思うことを続けることが大切だよ。私、君を応援しているから。」


凜は繭の言葉に少し心が軽くなり、微笑んだ。「ありがとう、繭。君の言葉に励まされるよ。少し自信を持って、これからも頑張ってみるね。」


「そうだね。君ならできるよ。」繭は笑顔で応えた。

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