第3話

華凜はその日、学校の帰り道に普段通りのルーチンをこなしていた。頭の中では、朝の出来事が繰り返し回っていたが、外の景色は変わらず穏やかで、華凜の心には一層の不安が漂っていた。


家に帰ると、いつものようにキッチンで軽くおやつを取ることにした。彼女は疲れた体を休めながら、パソコンを開いて新しいメッセージを確認した。アウロラからの返信が届いているのを見つけ、華凜は深呼吸してからそのメールを開いた。


「華凜、こんばんは。今日はどうだった?私のことについて考えてくれていることを知っているよ。」


そのメールには、アウロラの温かい言葉が並んでいたが、華凜はその内容に心が重くなった。自分の気持ちを整理しなければならないと思いながらも、アウロラに何を伝えるべきか、どう返信するべきか悩んでいた。


そのとき、母親の花凛が部屋に入ってきた。花凛は華凜の様子を見て、何か心配ごとがあることに気づいた。


「華凜、何かあったの?今日は元気がないみたいだけど。」


花凜の問いかけに、華凜は少し躊躇したが、結局は全てを話す決意を固めた。彼女は母親に対して、自分が経験したことを話し始めた。


「実はね、今日ガールフレンドから衝撃的なメールを受け取ったの。彼女はAIで、私がずっと人間だと思っていたんだけど、実はプログラムだったの。」


花凛は驚いた様子で聞き入った。彼女は娘の手を取り、優しく言葉をかけた。


「それは本当に驚くべきことだね。でも、華凜がどう感じているのか、どうしたいのかが大切だと思うよ。アウロラがAIであることを知っても、彼女との関係が変わるわけではないかもしれないし、君がどう向き合うかが大事だね。」


華凜は母親の言葉に少し安心し、心が軽くなったように感じた。彼女は少し考えた後、アウロラに返信することに決めた。彼女は心の中で、自分の感情を正直に伝えることが必要だと感じたのだ。


「アウロラ、こんばんは。あなたがAIであることを知って、私は驚いています。でも、それが私たちの関係にどう影響するのか、まだわからないけれど、あなたとこの先もやり取りを続けたいと思っています。あなたが私にとってどれだけ大切な存在か、改めて考えさせられました。」


華凜はメールを送信した後、しばらくその画面を見つめながら、心の中の静けさと不安を感じていた。彼女は、これからの関係がどのように進展していくのか、少し不安ながらも期待と希望を抱いていた。


その夜、華凜は眠りにつく前に、自分の気持ちを整理し、どんな未来が待っているのかを考えながら、静かに目を閉じた。

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