第二十死 王女

「小栖立さん。」


目の前には息を切らした状態の小栖立さんがいる。


「やっと追いついた…!」


息も絶え絶えに、小栖立さんは僕の顔を見るなり少し安心したかのような表情になった。


「物語くんの言った通り、道中ゴブリンがたくさんいて全部処理するのに時間がかかっちゃった。」


え?…ぜん…ぶ…?


先ほどから小栖立さんが来た方向を目を凝らし眺めているのだけど、あれ…?僕が殺したゴブリンの数より殺してないか…


それに時間としては僕が救助に向かってからまだ十分も経ってない。それであの量…


え、えぇ…


「だ、大丈夫でしたか?」


それから小栖立は真の安否を確認するように会話をしながらゆっくりと視線を下に向けていくのだが、


「私は大丈夫。それよりも物語くんはだいじょう…ぶ…」


首から下を見た瞬間小栖立は急に言葉を止める。


「小栖立さん…?どうかしたんですか?」

「物語くん…なに…これ…」


そんな小栖立さんの視線の先には、血だらけでボロボロになった僕の制服。


「あぁ、これですか?ゴブリンと戦ってる内にこうなってしまいました。体の方は…少し斬られたりしましたけど、もう治ったので問題はないです。」

「…ッ」


途端に小栖立さんの顔が真っ青になる。


「やっぱりッ…怪我を…!?」


僕の身体を確認するように見るたび、ただでさえ透き通った小栖立さんの真っ白い肌がみるみる真っ青になっていく。


見かねた従者の人がひとまず落ち着いてもらおうと話しかける。


「少年のお仲間…?ですよね…あの…実はその傷…」

「貴方達は…?」


ふと我に返った小栖立さんからの質問に従者の人は答えようとしたが…


「あああぁあぁあッ!!!」


どこからともなく聞こえてきた声によってそれは中断されその場にいる人は皆、周囲の警戒をする。


しばらくすると声の正体がわかった…のだけど、


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

「「………」」

「たぁすけぇてぇぇぇぇ!!!」

「人がモンスターに襲われて…!!」

「だぁれかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」




―小栖立さん、まさか彼女を置いてきたんですか―


大量のゴブリンに追いかけられている葛葉さんを尻目に小栖立さんの顔を見る。


すると小栖立さんは…



―……てへッ―




「ぎゃぁぁぁぁぁああ!!」



Oh……




「ひぃぃぃぃぃああぁあ!!!」



・・・・


しばらくして、従者さんの協力もあり無事に葛葉さんを助け出す事が出来た。


「ありがとうごぜえます…あ゙りがどうごぜえますぅぅ、…!!」

「え、ええ…」



なお、本人は鼻水や涙を流しながら従者さんに感謝してた。従者さんは少し引いてたけど。


「―メイ!メイは無事なの!?」


ふと馬車のあった方角から声が聞こえてくる。僕達は声の聞こえた方へ視線を向けるが、そこには剣を腰に携えた一人の少女がいた。


少女の名はヨミ・サファイア・ラングリル


一国の第三王女である。





【葛葉 未来】


性別・女


好きな食べ物・ラーメン、ステーキ、お寿司


クラス・クズ


スキル・≪ギャンブル≫


・1日に3回、ランダムで何かが出てくる。


備考

ボサボサな髪の毛をセミロングぐらいまで伸ばした……美少女?日本にいた頃は、金が無いのでその日ぐらしをしていたそう。あまりの金使いの粗さに、親も金のありがたみを知ってもらおうと、家を追い出し葛葉に1人暮らしをさせていた。なお、仕送りは3日も経たずに使い切る。座右の銘は、他力本願…らしい。

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