死にたがりの不死者と死なせたくない25人のクラスメイト

花見 晴天

プロローグ 死にたい僕が異世界転移した話

「おはよう!」

「おはようございま〜す。」


校門の前で行き交う声。それとは別で黄色い歓声を周りに纏っているイケメン。成績優秀、運動神経抜群、性格良しのこの男、これが僕…ではなくて


「ふぁ〜あ」


隅っこにいるような普通の陰キャ…それが僕だ。


「昨日…夜ふかししすぎたなぁ…眠い…」

「ねえ…見て、あの人の髪…」


あぁ、そうそう僕の髪色は少し特殊で全体的に真っ白な髪色をしていて、よく見られては懐疑的な目を向けられることがある。


昔はそれが嫌で黒に染めていたときもあったなー


僕の通っているこの学校、私立個性学園は設備がかなり整っていて大抵のものなら全て揃っている。本とかなら、見つからない本が無いってくらいある。


まあ、そういう感じだ。


そして今日も今日とていつも通りに席に着席をする。そう…のはずたった…


『キーンコーンカーンコーン』


チャイムの音が鳴ると同時にクラスメイト達は皆一様に席についていた。


そして先生も教室へと入って来るのだが、同時には起こった…


「うわッ!なんだこれ!!」


最初に気づいた奴が大声で驚いたのをきっかけにに気づいたクラスメイトたちも混乱し始めていた。


僕もワンテンポ遅れての存在に気づいたんだが、どうもそれは魔法陣ぽい形をしていてクラスの床一面に張り巡らされているように見える。


しかもうっすら光っている。


「何かの演出?」


クラスのギャルがなんか言ってる。でも確かに何かの演出かもしれないな。


やがてその魔法陣らしきものはまばゆい光を放ち、その輝きはクラス全体が白くなったかのように錯覚を覚えるほどだった。


そして視界が晴れた頃にはそこは…


「どこだ…ここは…」


先程までの教室の景色からは一変。辺り一面木が生い茂っている森に僕達はいた。


そこからは大変だった。泣き出すものもいれば、喜びだす奴、怖がるやつ、驚く奴など。


そんな中、僕は思った…


「あれ、これ僕死ねるんじゃね?」と―



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る