45. 『傷口と包帯』1巻

 そうか……私はメンタルヨワラーだったのか……!(by 屈強な成人男性の尊厳破壊号泣の図を尊ぶ者)



◆『傷口と包帯』(1)七井海星


 ヤ◯ザ組長の娘・理世りよと若頭・切谷きりたにが繰り広げる特殊性癖ラブコメ(公式)。


 開始数ページで美少女の一人遊び(婉曲表現)シーンは攻めてるな……と思いきや、何だかすでに様子がおかしいお嬢。苦痛に弱っている人の姿に興奮する性癖者、その名も「ヨワラー」! 今年一番の気付きを得ました(割と本気)。


 そんなお嬢、「倫理に反した性癖を持ち」自覚してるのえらいですね(錯乱)。

 「シ◯リティサイクル」「位置エネルギー」「権力と性欲の悪魔合体」次々とパワーワードが飛び出すスピード感に、切谷さんも読者も染め上げられていきます。



 嘔吐や出血=Aメロ、その後の苦しみがサビ……なるほどな~(白目)。美少女のガワに超ド級の変態性を秘めた(漏れ出てますが)お嬢が可愛い妖怪というか、珍獣というか、見ていて飽きないどころか胃もたれします(笑)。


 「照れ」は驚き・動揺・羞恥で構成される、「肉体フィジカルヨワラー」と「精神メンタルヨワラー」、性癖のグラデーション……いちいち説得力の高い分析に感心してしまいます。

 

 お嬢「パン派の切谷さんかわいい」←わかる(描き下ろしカットを見ながら)。



 「弱りでシ◯るのに外見はそれほど重要じゃない」←わかる。性癖を労いの言葉に転化させながら、組員たちに気に入られるお嬢の人心掌握術が鮮やかすぎる……! しかし外面フル稼働はやはり疲れる模様……激しく共感。


 お嬢属する弱り研究会「包帯同盟」の強者感よ。波乱の予感渦巻くオフ会には切谷さんも護衛として潜入。この中にお嬢を狙う裏切り者が紛れているのでしょうか。気になる展開は次巻へと続きます。



 多彩でキレのあるギャグ描写ばかりに目が行きがちですが、要所要所でお嬢をかばう切谷さんの心遣いがとても男らしくてときめきます。


 一方で、自分のこと男前だと思ってたり、お嬢に構ってもらえなくてねちゃったり、機械音痴なところ(スクショ全印刷は笑う)とか実にあざとい! ギャップ萌えは位置エネルギーなんですよね~。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る