3. 『もういっぽん!』30巻〈完結〉

 アニメ化もされた(視聴済み)高校女子柔道の青春群像劇です。


 全編を通じて、キャラの精神的成長や人間関係をはぐくむ過程に重きを置いた作風で、スポーツものにありがちな努力→勝利のカタルシスに頼る場面が少ないのが印象的でした。


 明るく爽やかな清涼感と、ご都合主義を排除したシビアさとが同居する、新感覚の青春ドラマもいよいよ完結です。


(※以下、百合オタの妄想が多分に含まれますのでご注意ください)



◆『もういっぽん!』〈完結〉(30)村岡ユウ


 最終巻。ハイライトは何と言っても260話ですね。

 これまでに結んだ数多くの縁に支えられた未知みちの頑張りが、あれほど柔道をするのに消極的だったまちの心にも届いたのだと思うと感慨深いです。


 同時に、これからも勝利を期待され続けるであろうエマが、未知との試合から得たものも大きかったはずです。



 青西VS博南は初のきんしゅうから続く因縁の対決だけに、ダイジェスト的な演出に終わったのは惜しかったかも。

 とはいえ、海辺での青春の一幕は例えようもなくまぶしいです。百合に混じろうとする無粋な輩は許すまじ! 先生ナイスです!



 卒業後もたっぷりの贅沢なエピローグ。それぞれの進路。注目はひめ先輩→姫野先生にクラスアップの感動。紫×姫妄想がますます捗りますね……!


 一方のぐも佐野さのちゃんと元鞘か……。初期に匂わせていた未知とのフラグも、いつの間にか自然消滅していたことに、一抹の寂しさを覚えます。南雲といえば、百合界の新星として期待されていた時期もあったのですよ(遠い目)。



 以上、百合オタ視点ばかりで恐縮ですが、感想はこれにて。

 30巻267話の長丁場、おつかれさまでした。

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