好きな漫画だけ語りたい！(仮) by 真野魚尾🐠

2. 『イジらないで、長瀞さん』20巻〈完結〉

　連載開始から……とまではいきませんでしたが、2巻発売当初からずっと追いかけてきた、思い入れ深いラブコメ作品でした。

　勿論、作者様P◯xivでのプロトタイプもチェック済みです。

◆『イジらないで、長瀞さん』〈完結〉(20)ナナシ

　最後まで長瀞（ながとろ）さんの色んな表情が堪能できる最終巻。表紙がすでに尊い。初対面ではあんなだった二人がお付き合いしてるんだ……と読んでいる間じゅう感慨に浸（ひた）りっぱなしでした。

　前半の見どころは、思い出の美術室での初キス。台詞なしでも絵だけで多幸感が伝わってくる表現力に感服します。

　最後の一波乱は先輩の臆病さゆえのすれ違い。むやみに先輩を責めるでもなく、しっかりと気付きを促すガモちゃんの詰め寄り方がイケメンなんだ……流石トロちゃんの親友だなって感動しました。

　ラスボス？兄瀞に真正面から立ち向かう、先輩の勇姿にも大感動。なあなあな言葉で誤魔化したりは一切しない、真摯な姿勢はヒーローそのものでした。雨降って地固まる……よきよき。

　夏祭りリターンズ。去年と同じだけど違う景色は恋人になれたから。二度目のキスを花火とともに祝福したい気持ちでいっぱいです。

　芸大合格のハグはアニメ2期の最終話を思い出しました。

　卒業式は万感の思いを乗せた送辞と答辞に胸が熱くなります。

　余談ながら、ヨッシーのアホ毛とか、元部長VSマッチーのイメージ図が当然のように全裸だったりとか、本筋に関係ない箇所での遊び心も楽しかったです。

　本編最終カットは二人の歴史が詰まった美術室。アニメ1期のED曲「カラフル・キャンバス」が脳裏に流れてきて、とても温かい気持ちになりました。

　単行本おまけはトロちゃんバースデイ。二人の懐かしいやり取りとトロちゃん会心の表情は必見。「そしたら……」で先輩から申し出るの偉い。ここまで一緒に歩んできた二人なら、きっと上手くいきますよね。

　作者様の誠実な人柄が表れたあとがきも心に沁みました。本当に大好きな作品です。沢山の笑いと感動をありがとうございました。いつかあるかもしれない読み切りにも期待しています。