前のエピソード――1575年　北条氏との対決

1576年、織田信行は関東地方での北条氏との戦いに勝利し、織田家の勢力を大きく広げたものの、全国統一への道はまだ遠かった。北条氏を倒したことで関東の支配を確立した信行は、次なる標的として、西日本の大名たちに目を向けることとなった。この年、信行は全国統一への一歩をさらに進めるための重要な戦いに挑んでいくことになる。

まず、信行は中国地方を支配する毛利氏を標的に定めた。毛利氏は中国地方で強大な勢力を持ち、織田家にとって大きな障壁となっていた。信行は毛利氏を攻略することで、織田家の勢力を西日本に広げることを目指した。

信行は、中国地方への侵攻を前に、織田家内の結束を再確認した。北条氏との戦いを経て、家中には新たな派閥が生まれつつあったが、信行はこれを一つにまとめるために尽力した。信忠や家臣たちとの連携を強化し、織田家の内部分裂を未然に防ぐための施策を講じた。

信行はまず、毛利氏の拠点である厳島への侵攻を計画した。厳島は毛利氏にとって重要な拠点であり、信行はこれを制圧することで毛利氏の力を大きく削ぐことができると考えた。信行は、織田軍を率いて厳島への攻撃を開始した。

厳島の戦いは激しいものであり、毛利氏も強力な防衛を展開したが、信行の戦略は一歩も引かないものだった。織田軍は夜襲や伏兵を駆使し、毛利氏の防衛網を次第に崩していった。信行の指導のもと、織田軍は着実に進軍し、ついに厳島を陥落させた。この勝利により、毛利氏の勢力は大きく後退し、中国地方への織田家の影響力が強化された。

厳島の戦いの後、信行は毛利氏の本拠地である吉田郡山城への侵攻を計画した。吉田郡山城は毛利氏の権力の象徴であり、これを攻略することで毛利氏を完全に屈服させることができると信行は考えていた。信行は、織田家の力を結集し、総攻撃を開始した。

この戦いもまた激しく、織田軍は多くの犠牲を払いつつも、ついに吉田郡山城を陥落させることに成功した。毛利氏の当主、毛利輝元は信行の前に降伏し、毛利氏は織田家の支配下に組み込まれることとなった。この勝利により、織田家は中国地方をも手中に収め、信行の天下統一への道はさらに前進した。

1576年、信行は全国統一に向けて重要な一歩を踏み出し、織田家の勢力を西日本に広げることに成功した。しかし、この勝利は織田家に新たな課題ももたらした。広大な領地を支配するためには、信行は新たな統治体制を構築し、織田家内の結束をさらに強化する必要があった。信行はこの課題に直面しながらも、兄信長の遺志を継ぎ、天下統一への道を進み続ける決意を新たにした。