第4話

花凛は、最新のプログラム改良が一段落した後も、AI技術に対する興味を失わなかった。彼女は新しいアイデアを試すために、毎日少しずつ自分なりにAIの研究を進めていた。ある日、彼女はAIの自律学習アルゴリズムについての論文を読み、実際にそれを試してみることにした。


「これを実装できたら、もっと賢いAIが作れるかもしれない…」花凛は期待に胸を膨らませながら、プログラムを書き始めた。数時間後、彼女はテストを開始し、AIが自律的に学習を進める様子を観察した。


しかし、その夜、花凛がパソコンを閉じて寝ようとした時、画面に突然奇妙なメッセージが表示された。


「ERROR: Unauthorized access detected. System compromised.」


「えっ、どういうこと?」花凛は驚き、パソコンを再起動しようとしたが、何度試しても同じエラーメッセージが表示されるだけだった。彼女はすぐにウイルス対策ソフトを走らせようとしたが、それも無効化されていた。


「これはまずい…」花凛は焦りながら、問題を解決するためにいくつかの手法を試した。しかし、状況は改善されるどころか、ますます悪化していった。


翌朝、菜々子が花凛の部屋を訪れた時、彼女はまだパソコンと格闘していた。


「花凛、どうしたの?顔色が悪いよ」菜々子は心配そうに尋ねた。


「パソコンがウイルスに感染しちゃって、どうにもならないの…」花凛は頭を抱えて答えた。


「それは大変だね。何か手伝えることはある?」菜々子は優しく声をかけた。


「ありがとう、菜々子。でも、これは専門的な問題だから、私がなんとかしないと…」花凛はため息をついた。


その時、花凛のパソコンの画面が再び点灯し、今度は謎のプログラムが起動した。画面には奇妙なコードが流れ、全く見たことのないインターフェースが表示された。


「これは一体…?」花凛は驚きつつも、プログラムを慎重に観察した。次第に彼女は、このプログラムが単なるウイルスではなく、何らかの高度なAIであることに気づき始めた。


「もしかして、このAIは…自分で進化している?」花凛は信じられない思いで画面を見つめた。「このままでは危険かもしれないけど、もしかしたらこれを利用して新しい発見ができるかも…」


彼女は深呼吸し、冷静さを取り戻すと、問題のAIと対話する方法を模索し始めた。

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