第13話: 真の鎧の騎士との対決

鎧の騎士を倒した後、田中優樹、アラン、エリナの三人は疲れた体を引きずりながら、遺跡のさらに奥へと進んでいった。広間の奥にある隠し扉が開かれ、新たなエリアが姿を現す。そこには、さらに不気味な雰囲気が漂っていた。


「ここも気をつけて行こう。」優樹が慎重な声を上げる。


通路を進むにつれて、冷たい空気が体を包み込み、先に進むにつれて不安感が増してきた。やがて、通路が広がり、さらに広大な広間が現れた。広間の中央には、再び石の柱が立っており、その周囲には複数の古代の装飾が施されていた。


広間の奥から、深い低音のような咆哮が響いてきた。優樹、アラン、エリナはその音に警戒し、広間の中心に向かって足を進めた。すると、広間の奥から、金属音が響き、巨大な影が浮かび上がった。


「これが…本物の鎧の騎士だ!」アランが驚きの声を上げた。


その鎧の騎士は、先ほどのものとは比べ物にならないほど威圧的な姿をしていた。身に纏った鎧は、輝く銀色で装飾が施され、その大剣には炎のような赤い光が宿っていた。盾も一層頑丈そうに見えた。


「見た目からして、確かにAランクの中でも上位に位置するだろう。」優樹が剣を構えながら言った。「気を引き締めろ。」


鎧の騎士はその大剣を振り上げ、周囲を炎で包むようにその刃を光らせた。炎の効果が加わったその大剣は、まるで火山のような迫力を持っていた。


「ここまで来て、ようやく本物の実力を見せてもらえる。」優樹が決意を新たにする。


アランはアイススピアを構え、氷の槍を準備した。「私が氷の魔法でその炎を抑える!エリナは狙いを定めて!」


エリナは矢を弓にセットし、鋭い視線で鎧の騎士を見つめた。「了解!矢を放つわ!」


広間の中央で、戦闘が始まった。アランはアイススピアを鎧の騎士に向けて投げつけ、氷の槍が鎧の騎士の盾に当たった。氷の破片が盾に当たり、氷の冷気が広間に広がったが、鎧の騎士はその盾で耐え切った。


「やはり防御力が高い…」アランが唇を噛みながら言った。


優樹は剣を振り上げ、鎧の騎士に向かって全力で斬りかかった。大剣の一撃は鎧の騎士の盾に直撃し、激しい金属音が広間に響いた。鎧の騎士はその強靭な盾で攻撃を防ぎ、優樹の力強い一撃を弾いた。


「今度は俺が行く!」優樹が叫びながら、さらに連続して攻撃を加える。鎧の騎士はその大剣を振り下ろし、炎の効果をまとわせた一撃が優樹の剣に衝撃を与えた。


エリナは弓を引き絞り、鎧の騎士の隙間を狙った。矢が速く飛び、鎧の騎士の隙間に命中しようとするが、鎧の騎士はその盾を使って矢を受け止めた。エリナの矢は盾に弾かれ、鎧の騎士は微動だにしなかった。


「この炎の効果があると、ますます厄介だわ。」エリナが矢を次々と放ちながら言った。「どうにかしてその炎を無効化しないと!」


アランは再びアイススピアを構え、氷の魔法で鎧の騎士の周囲を凍らせるようにした。氷の刃が鎧の騎士の周囲に広がり、その動きを一瞬でも遅らせることを狙った。しかし、鎧の騎士はその強靭な防御力と炎の効果で、なかなか倒れる様子を見せなかった。


「どうするべきか…」優樹が考えながら、大剣を構え直し、再度斬りかかる。今度は炎の効果を考慮し、できるだけ早く決着をつけるために力を込めて斬りかかった。


アランとエリナも協力して攻撃を続け、氷の魔法と弓矢で鎧の騎士を圧倒しようとしたが、鎧の騎士の炎の大剣はその攻撃を一掃し、強力な一撃を繰り出してきた。

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