追放された悪役社長令嬢 宝月麗華~SSSランク越えのポーションを飲み世界最強の探索者になってアイドル配信者を助けたら、アイドルに溺愛されて、万バズ配信者に成り上がりましたわ~
2-9 激レアオーパーツを当てる 《結名1人称》
2-9 激レアオーパーツを当てる 《結名1人称》
「さぁ、お待ちかねのタコ焼きだよー」
宝箱大鑑定配信はいよいよ終盤戦。
最後の1個を鑑定する前の余興にタコパだ。
「おぉ、これは旨いわい」
《鑑定人、俺に代われ》
《いい仕事してますねー》
《ゆな、安定のお料理配信》
「火あぶりの刑のうえ、小麦粉の牢に閉じ込められ、酸の海に溶かされる。悪役社長令嬢のわたくしを怒らせた、身の程知らずで不埒(ふらち)なタコにふさわしい末路ですわーーー!!」
《タコ、お前の死は忘れない……》
《(ニート万歳)ただのタコ焼きだろw》
「麗華ちゃん、高笑いしてないで早く食べてねー」
タコパ終了。
鑑定を再開する。
「ここまで32個の鑑定額は合計1848万円だよ!」
「おーっほっほっほーー! これだけあれば、高級エステに高級フレンチに通い放題ですわー!」
《すげー》
《さすがは麗華様》
《貯金しようよ》
《裏ダンジョンすげー》
《金持ち社長令嬢復活だね》
違約金1億円に比べたら、小さな金額かもしれない。
でも、そんなことを気にしても仕方ない。
コメント欄は盛り上がっている。
視聴者たちを楽しませることだけ考えよう。
そして、結名たちも視聴者に負けないくらい楽しむんだ!
「最後の宝箱だよー」
《いよいよだな》
《楽しみ》
《激レアが当たりますように!》
《わくわく》
《こっちが緊張してきた》
《祈願! 違約金返済!》
「うぅ~~~ん! 何が入っているんだろ~~!?」
店主さんの見積もりによると、裏ダンジョンのボスドロップの宝箱には3000万~7000万円くらいのオーパーツが入っているそうだ。
それでも、本当の金額はまだ誰にも分からないよ。
「それじゃあ、皆様準備はよろしくて? ――本日の目玉オーパーツをとくとご覧あれ!」
《激レア! 激レア!》
《激レア! 激レア!》
《激レア! 激レア!》
《激レア! 激レア!》
《激レア! 激レア!》
お願い! ちょっとでも高いオーパーツ来て!!
麗華ちゃんが宝箱を開けた。
《何だこれ?》
《え……?》
《マジ……?》
宝箱の中に入っていたのはボトルシップだった。
《カスレア決定!?》
《こんなオチ誰得》
《そんなぁ……》
「
オーパーツショップの店主さんが鑑定スキルを使用する。
これはただのボトルシップじゃなくてオーパーツ。激レアアイテムの可能性はまだあるよ。
「ふむふむ……なるほどのぅ……」
鑑定が終わったみたい。
「それじゃあ、鑑定額をどうぞーー!」
結名の掛け声で、店主さんがフリップを見せる。
『1億9000万円』
《¥40000:ええええええええ》
《¥20000:すげええええええええ》
《¥3000:ええええええ》
《¥15000:( Д) ゚ ゚》
《¥2000:神》
《¥28000:さすがボスドロップ。桁が違う》
《¥1500:( ゚Д゚)》
《¥10000:おめえええええ》
ええっ!?
ボスドロップのオーパーツでも7000万円を上回る可能性は低いって言ってたのに、何で?
オーパーツについて店主さんが解説する。
「これはのぅ。【一瓶の大船団】といってな。中型船ならどんな船でも自由に出すことができるオーパーツじゃ。ランクはSS。普通なら1億円を上回ることはない」
店主さんに質問する。
「どうして2億円近くまで上がるんですか?」
「今、最前線は大洋エリアを攻略中じゃ。船を走らせることができれば、楽に進むことができる。どのチームものどから手が出るほど欲しいじゃろうな」
「違約金……払えるよぉ……」
涙が込み上げてくる。
1億円をこんなにあっさり払えるなんて!
《¥2500:おめでとう~》
《よかったね》
《(百合の間に挟まりたい女)ゆななぁ~~~》
「一瓶の大船団は売りません!」
《マジか》
《2億だぜ……》
《私なら売る》
《もったいなくね》
びっくりしたけど、麗華ちゃんは「違約金なんて、すぐに払わなくていい」って言ってた。きっと考えがあるんだ。一瓶の大船団を使う方法を。
「麗華ちゃん、教えて。一瓶の大船団をどうやって使うの?」
「裏ダンジョン、何度も行きたくありません?」
「行きたい!」
ボスドロップ無しでも1800万円の稼ぎ。今日のレア運が良かったことを差し引いても、攻略1回で1000万は見込める。何度も攻略してお宝を持ち出せば、1億円、いや2億円だって稼ぐことはできる。
違約金なんてどうにでもなるよ!
「でも、到着まで大変でしたわね」
「あっ、そっかー! 海岸から沈没船まで船で行けば、安全にショートカットできるね」
渦に巻き込まれそうになったし、片道2時間以上泳ぐのは大変。船があれば、そんな悩みは全部解決する。
「他にもいろいろ活用法はありますけど。何より――いずれ行くんでしょ。大洋エリア」
「うん!」
《マジかよ》
《中層より下に潜るってことだよな》
《応援するー》
《(Tama)麗華様がいれば、どこでも行けるでしょ》
店主さんも楽しそうに笑う。
「個人勢が下層攻略のことを考えておるのか~。やはり、貴女は規格外の探索者じゃ!」
麗華ちゃんはすごい!
1億円に縛られていた結名と違って、遥か先を見ている。
結名だって――1億円以上の価値があるってみんなが認めてくれるくらいの探索者になるんだ!
それができたら、きっと――。
「それでは、『麗華様とゆなのダンジョンちゃんねる』今回の配信はここまでですわ」
「チャンネル登録、各種SNSの登録。ぜひよろしくお願いしますー」
「「それでは、ごきげんよう~~~」」
《ごきげんよう》
《ごきげんよう》
《ごきげんようですわー》
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