追放された悪役社長令嬢 宝月麗華~SSSランク越えのポーションを飲み世界最強の探索者になってアイドル配信者を助けたら、アイドルに溺愛されて、万バズ配信者に成り上がりましたわ~
2-1 結名が全滅しかかった31層で俺TUEEE配信をする 《麗華1人称》
2章 悪役社長令嬢、裏ダンジョンをクリアする
2-1 結名が全滅しかかった31層で俺TUEEE配信をする 《麗華1人称》
「おーーっほっほっほーー! 欲しいものは奪い取る。邪魔するものはぶっ飛ばす。わたくしが、悪役社長令嬢、
《ごきげんよう~》
《ごきげんようですわ!》
《(ニート万歳)こん》
「推しが立つ現場なら、どこにだって参戦! 限界ヲタク探索者、ゆななこと石川
《ゆなちゃんを感じたぁ~~い》
《ゆなを感じたぁ~い》
《ゆなちゃんを感じたぁ~い》
「みんなー、拍手お願いねー。せーのっ!」
結名がカメラに向かってポーズを決める。
「麗華様とゆなのダンジョンちゃんねる、始まりまーーす」
《88888888》
《8888888》
《88888888888》
わたくしと結名の記念すべき第1回の配信が始まった。
「すごいね! 麗華ちゃん!」
「あら。結名、どうしたの?」
「チャンネル開設から3日で登録者数70万人突破だよ!」
《勢いヤバすぎ》
《100万余裕だって》
《ゆなのチャンネル登録者数の半分もう超えてる》
《(あああ)宝月麗華と組んでイケイケだな》
コメントを拾って読む。
「あああ様『宝月麗華と組んでイケイケだな』――おーっほっほっほーー! 当っっ然ですわーー!! 規格外の存在である、わたくし宝月麗華様が本気を出せば、バズりまくりなんて、当然も当然ですことよー!」
結名がコメントを拾って読む。
「ニート万歳さん『バズったのは石川結名のおかげ』――褒めてくれてありがとう~。嬉しい~。でもね、ゆなは、麗華ちゃんもすごいって知ってるもんね!」
「ニート万歳、わたくしの本気みせてさしあげますわよ!」
ニート万歳というのは、わたくしの底辺ダンジョン配信者からの常連だ。1回目の配信からいる。口は悪いし、あいさつもろくにできないが、たまにコメントを投げてくれていた。
メジャーになっても応援してくれるのは嬉しい。
「今日はどこに行こうかしら?」
「ゆな、31層に行きたーーい」
《31層!!!》
《やめてーーー!!》
《麗華様は余裕だろうけど、ゆなちゃんじゃ……》
「貴女を心配しているコメントであふれかえっているわね。それでも行く――?」
31層とは結名が中層初挑戦をしたエリア。結名たちはシルバーウルフ1匹に全滅しかかった。
コメント欄が騒然となるのは当然だ。
「行く。――だって、麗華ちゃんがいるんだもん。怖くないよ!」
これは台本通りの台詞。
でも、結名の顔に迷いはない。
わたくしを心から信頼してくれている。
それが嬉しい。
「怖くなったら、麗華ちゃんに抱きついちゃうから~」
そう言って、結名がわたくしに抱きついた。
《久々の、ゆななスキンシップー、キター》
《相変わらずあざとい》
《ゆなな、俺にも抱きついてくれーー》
「え、えええ~~! 抱きつかれて戦うなんて、無理ですこと~。それよりも、人の目を気にしてくださいの~~!」
《このバディ、推せる》
《ガチで恥じらう、麗華様。かわいい……》
《百合の波動を感じますぞ》
こんなの打ち合わせで聞いてませんわぁ~~!
31層に移動。
「おーっほっほっほーー! 早速ワンちゃんたちに歓迎されましてよーー!」
《ヤバい》
《死んだ》
《オワタ》
行く手には、かつて結名たちを圧倒したシルバーウルフ。
《8匹もいるなんて!!》
きっと視聴者たちも騒然としているだろう。
ふふふ……面白いわぁ~~。
攻撃の間合いに入るまで、コメント欄をチェック。
《過去動画では群れを壊滅させてたな》
《俺もバックナンバー見たよ。いけると思う》
さすがに、わたくしの動画を予習済みの方もいるわね。
《(蜘蛛衛生兵)群れ相手に弱者を守りきるのは、難易度が跳ね上がる》
《(蜘蛛衛生兵)麗華さんは徒手空拳。リーチが短い分不利だ》
まぁ、失礼な方もいるのね。
わたくしたちの力を甘くみてもらっては困ります。
「麗華ちゃん……」
「大丈夫。結名は自分の仕事をして」
わたくしの新技で圧勝してみせましてよ!
ビュン――!!
疾風が戦場を駆ける。
次の瞬間、
「ギャイン!!」
1匹のシルバーウルフの顔面に穴が開いた。
そして、絶命した。
《えっ!》
《早速1匹死んだ》
《うそぉ!?》
《早すぎ》
突然の仲間の死に、狼たちはただ立ち尽くしている。
「よそ見している暇はありませんこと」
わたくしは一歩も動いていない。
「ギャイン!!」
「ギャイン!!」
次々
彼らの表情が困惑から恐怖に変わる。
《えっ、どうなってるの?》
《こんなのバックナンバーには無かったぞ》
《解説カモン》
「はーい、ゆなが解説しちゃいまーす」
結名がカメラをわたくしの右手に向ける。
「麗華ちゃんは、指を超高速で弾いて作った、空気の弾丸で攻撃していまーす」
《すげえええええ》
《究極のデコピン》
《(蜘蛛衛生兵)オーパーツ無しで、そんなことできるの!?》
「おーーっほっほっほーー! これは480の秘技の1つ【エアバレット】ですわーー!!」
《480も技あるのすげええええ!》
《(ニート万歳)絶対今適当に考えただろ》
《何でもいい。やっちゃえ!》
ドシーン、ドシーン……
肩を怒らせてジャイアントがやって来る。
《巨人が進撃してきたぞ》
《その日人間は思い出した》
《これはエアバレット一撃で倒せないだろ》
「ごめんあそばせ」
ビュン――!!
疾風が戦場を駆ける。
「う゛ぼおおおおお~~~!!」
《巨人も爆散したあああああッ!》
《どんなだけ威力あんだよ》
《進撃の麗華様www》
次々とやられてシルバーウルフは3体となった。
「結名、カメラを固定。戦闘準備に入りなさい」
「うん、分かったよ!」
狼たちが飛びかかってきた。
こんなの余裕で避けられましてよ。
でも――
結名に目線をチラリと送る。
結名もわずかにうなずく。
1匹目回避。
2匹目回避。
そして、3匹目の攻撃は――あえて避けない。
《麗華様が噛まれる!》
《麗華様、ピンチ!》
結名がスキルを発動。
「
「ギャイン!!」
わたくしを噛みつこうとしたシルバーウルフは爆散した。
もちろん、わたくしは無傷。
《ええっ!?》
《(百合の間に挟まりたい女)ゆななの新スキルだ!》
《ゆなな、こんなに強かったっけ?》
「麗華ちゃんがゆなをパワーアップさせてくれたから、中層でも戦えるようになったよ!」
余っていた大量のポーションを使ってステータスをアップ。オーパーツもクロイ時代よりも良いものを買った。
ただの足手まといを隣に立たせるつもりはありません。ダンジョンの完全クリアを目指すのなら、なおさらですわ。
最後のシルバーウルフを殴り飛ばして戦闘終了。
「ありがとう、結名。貴女のおかげで助かりましてよ」
「ゆなもいいところ、見せないとね」
《(蜘蛛衛生兵)演出だね。余裕で避けられたはず》
《(ニート万歳)だな》
《(Tama)いいんじゃないですか。ただ倒すだけより、ずっと面白いです》
「31層リベンジ配信。この調子で頑張ろうね、麗華ちゃん!」
「おーーっほっほっほーー! こんな場所、頑張る必要もありませんことよー!」
わたくしたちの快進撃は止まらない。
31層リベンジ配信は無事大成功に終わった。
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本日から新章スタートです。
ここからは麗華と結名がどんどん人気配信者に成りあがっていきますよ。
サクサク読める楽しいお話です。
ぜひぜひ読みにきてくださいねー♪
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