部屋の片づけをしていたら異世界の美少女が出てきて同棲することになりました。

夙多史

プロローグ

第1話 一体、なにが起こっているんだ?

 一体、なにが起こっているんだ?


 俺の目の前には、一糸纏わぬ姿の少女が背中を向けて座っている。

 サラサラの髪は燃え盛る炎のように赤く、肌は輝かんばかりのミルク色。小さな肩幅に、華奢だがぷにぷにしてそうな二の腕。細くくびれた腰はちょっと触ると簡単に折れてしまいそうだ。

 恥じらうようにもじもじとする彼女が、上半身だけ僅かに捻って俺に振り向く。大きく実った二つの果実が魅惑的にたゆんと揺れた。


「ねえ、早くしてよ」


 桃色の唇からおねだりするような声。小振りの輪郭に収まるルビーレッドの瞳は熱を帯びていて、長いまつ毛に整った鼻梁は誰がどう見ても美少女としか表現できないだろう。

 ここまでに至る経緯はしっかり覚えている。

 なのに、どうしてこうなったのか理解が追いつかない。

 やるべきことはわかっているのに、緊張で体が硬直して動いてくれない。


「もう、焦らさないでよ。早く、タダオミの白いのちょうだい」

「言い方!?」


 俺は勢い余って握っていたソレに力を入れてしまう。思わずビュルッと飛び出た白い液体が彼女の顔や体に思いっ切りぶっかかってしまった。なんて酷い光景だ。


 夢なら覚めないで! いや覚めて!

 だが、これは現実だ。

 紛うことなき、リアルなんだ。

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