地味子は隠れ巨乳!?地味だと思っていた彼女は巨乳で可愛い
ゆずしお
第1話
「なあ、悠斗。もし付き合うなら誰にする?」
「またその話かよ」
小野寺悠斗は呆れた顔をしながら、友人である健司と放課後をだらだらと過ごす。
「まあ、強いて言うなら美月さんかな。あの笑顔は反則だろ」
「わかる、すごく分かる。でも、美月さんは高嶺の花で俺らとは次元が違いすぎる」
まったくその通り。手が届くわけがないって、俺たちには。
「確かに俺らじゃ無理だな」
健司が教室内を見渡し始めた。今度は誰をターゲットにするつもりだ?
「雪乃さんとかどうだ?」
「いっちばんないだろ。あんなお上品な人は、俺らみたいなバカを相手にするわけないって」
この会話、続ける意味あるのか?
「……」
「なんか急に黙り込んだけど、どうした?」
「結局、俺らじゃ可愛い彼女なんか無理かぁ」
でも彼女がいなくても、俺は毎日それなりに楽しいし、別にいいかな。
そんなことを考えるけど、どうも健司はそうはいかないらしい。
「まあ、夢を見るくらいは自由だし、奇跡を祈ろうぜ」
そう言いながら、俺はペンをくるくる回して、健司との無駄話を続けていた。
本当に毎日こんな話ばっかりして、よく飽きないな。俺なら虚しくなりそうだけど。
「あっ、やべっ」
ボーっとしてたら、ペンを落としてしまった。
「これ、落としましたよ」
「あ、ありがとう。字見さん」
お礼を言うと、字見恋夏さんはペコリと軽く頭を下げ、そのまままた小説の続きを読み始めた。
前髪と眼鏡で目元が隠れてて、余計に地味さが強調されている。
「地味子って好きな人いるの?」
えっ、いきなりそんなこと聞くか?女子にとってデリケートな話題だぞ。
俺は少し驚きながら、健司の無遠慮な質問を見守った。
字見さんは一瞬ピクっと反応したけど、すぐにまた小説に目を戻して、さらっと答えた。
「ううん、いないよ」
「そうか。なんか地味子っていつも一人でいるからさ、気になってたんだよ」
健司は無邪気に笑いながら言ったが、俺は少し申し訳ない気持ちになった。
「おい、健司、そんなこと聞くなよ。失礼だろ」
つい俺も口出ししてしまった。字見さんが優しく微笑みながら「大丈夫、気にしないで」と答えたけど、その笑顔、ちょっと寂しそうだった。
---
家に帰ると、俺はいつものようにオンラインゲームにログインした。
ログイン画面に「ジミーさん」がすでにオンラインになってるのが表示されてる。いつも早いな、ジミーさん。
『うっす、ジミーさん。今日も早いっすね』
『ギルドマスターだからね。最速ログインは義務だよ』
そう言ってるけど、ジミーさんって本当にこのゲームが好きなんだろうな。
もう何年も一緒にプレイしてて、ほぼ毎日チャットしてるし。リアルで会ったことはないけど、もう友達って感じだ。
『今日もクエスト行こうかと思ったけど、みんな遅いな』
『そうだね。待ってる間に少し雑談でもする?』
今日は人の集まりが悪いな。2人でチャットして時間を潰すか。
『そうだな、何話そうかな』
『そういえば、今度のイベントで限定アイテムが手に入るチケットが販売されるらしいよ』
『マジか!それは見逃せないな』
『でもね、残念ながらリアルの店舗での販売なんだよね』
リアル店舗か…インドア派の俺は渋い顔をする。
『それは厳しいな。でも、欲しいなぁ』
『ねえ、実は、○○町に住んでるんだけど、そこの店舗でも販売するみたいなんだ』
『え、本当に?俺も○○町に住んでるよ!』
『えー!それなら一緒に行かない?その場のノリでオフ会しちゃおうよ!』
オフ会か…。長い付き合いだし、会ってみるのも悪くないか。
それに、ジミーさんがどんな人か気になるし。
『いいね、そうしよう!次の休みに会える?』
『もちろん!じゃあ、○○駅前のカフェで待ち合わせね』
『了解。楽しみにしてるよ!』
こうして、リアルで会う約束が決まった。
ジミーさんがどんな人なのか、少し緊張しつつも楽しみだな。
―――
オフ会当日。俺は約束のカフェに少し早めに到着した。
待ち合わせの時間までまだ少し時間があるから、見つけやすいように店の外で待つことにした。
すると、偶然にも字見さんが同じカフェにやってきた。
「あれ、字見さんもここに?」
「うん、友達と会う約束があって…」
字見さんがカフェに入っていった。
まさか同じカフェに来るなんて、びっくりしたな。
字見さんがここにいるなんて不思議な気分だな。
でも、まあ、今日はジミーさんと会うことが目的だし、気にしないでおこう。
待ち合わせの時間が近づくにつれて、なんだか緊張してきた。
ジミーさん、どんな人なんだろう。ちゃんと会話できるかな…。
けど、なかなかジミーさんは現れない。
「遅いな、どうしたんだろう…」
メールを送ってみることに
『待ち合わせ場所に着いたよー』
すると、すぐに『自分も待ち合わせ場所にいるよ』って返信が来た。
辺りを見渡してみるけど、それらしき人物はいない。どういうことだ?
『どんな服装してるの?』
『うーん、白いブラウスにスカートかな』
ん?待てよ…。この特徴、まさか…。
カフェの中をよく見ると、字見さんがキョロキョロと周囲を見回している。
嘘だろ…。あの字見さんが…ジミーさん?
「まさか…」
俺が驚いていると、字見さんと目が合った。彼女も気づいたみたいだ。
とりあえず、店内に入る。
「もしかして、あなたが…」
「うん、俺だよ」
どうしようもなく、笑いが込み上げてきた。
まさか、こんな展開になるなんて。
2人で席を移し、対面で座る。
「こんな偶然あるんだね。しかも同じ学校で隣の席同士」
字見さんがリアルで会う相手だったなんて、正直まだ信じられない。
しかも隣の席に座ってるなんて…。
「俺も驚いたよ。字見さんってゲームするんだね」
「うん、実はゲームが大好きなんだ。家ではずっとやってるんだよ」
「そうなんだ、意外だったな。いつも本を読んでるイメージしかなかったから」
「ふふ、そうだね。学校ではあまり話さないし」
字見さんは少し照れながら微笑んだ。
近くで見ると可愛く見えた。
「なんか頼もうか」
そう言って中央に置かれてるメニューを見るために、俺は体を前に突き出す。
メニューを選んでいると、字見さんが辛そうに肩を回していた。
「最近、ゲームのしすぎで体が凝ってて…」
「字見さん、夜中までやってますもんね」
「気を付けないとなあ、うーん!!」
声を漏らしながら、体を反らして気持ちよさそうな表情をしていた。
体を伸ばしている間「プチプチ」となにか変な音が聞こえくる。
その瞬間「パチン!!」とホッグが壊れ弾けるような音を立てて、「ばるん!」と字見さんの胸が勢いよく飛び出した。
ブラで強く締め付けられていたのか、その勢いはすさまじく、俺の顔にぶつかると同時強い衝撃が脳を揺らす。
「悠斗くん!大丈夫!!ど、どうしよう」
字見さんは慌てて胸を押さえながら、俺の顔を心配そうにのぞき込んでいた。
俺はあまりの衝撃に半分意識を失いつつ、カフェの天井をぼんやりと見上げていた。
かすかに字見さんの慌てるような声が聞こえたが、意識が完全に途切れた。
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