第4話 顔合わせ②

暇つぶしでやってみたいと思い、VTuber事務所に応募すると、

一般公開ではないテンションで撮った動画で羞恥を晒すも、

無事に採用が通り、SmileLive2期生としてデビュー目前の

ごく普通の女子高生、今野るな。

2期生が揃い、初めての顔合わせがスタートした。


駒井さんがゆるい感じで言う。

「えっとじゃぁ、自己紹介をしてもらいましょうか〜。

とりあえず、今野さんから〜」

え!私!少し驚いたが、考える時間もない。

「こ、こんにちは!改めましてSmileLive2期生の今野るなです!

絵を描く事が得意で、歌うことが好きです!よろしくお願いします!」

新学級での自己紹介みたいになってしまった。

「私、今野さんの動画とっても素敵だな〜って思ってたの!」

神田さんが反応してくれる。

「僕も、動画内の立ち絵っていうんですかね?

絵がとっても素敵だなと思っていたんですよ。元気さも伝っわてきました。」

鳥座さんも褒めてくれる。そうか、ここにいる人達も

私の羞恥プレイの目撃者なのか。恥ずかし過ぎて再び死にそうになる。


それから順々に自己紹介をしていく。

その都度、皆が反応し、楽しい雰囲気になっていた。

神田さんが言う。

「ここにいる皆は同期なんだから、ガンガンタメ口で行こ!

ちゃん呼びとか、下の名前とか!良いよね?」

「良いぜ〜!よろしくな!」

と、小梨さん。いや、小梨くん、かな?

「よろしくです〜、リリと呼んでください〜」

リリちゃんでも良いのかな?


「それでは自己紹介も終わったところで、

軽く本社についての説明をさせて頂きます〜。」

駒井さんがスクリーンに映像を映し出す。

私達が話している間に準備していたのか。仕事の早い人だな。

「えっと、本社はですね〜、このビルの8階から12階までを使っているんです〜。

ビル高いな〜って思ったでしょ〜。実は真ん中あたりの少しだけなんです〜。」

あぁ、なるほどそういうことか。

「これはみなさんもご存知かもしれませんが、うちは一期生4人が

会社を支えてくれていました。しかし、今日から2期生の皆さんにも

会社を支えていただくことになりますので、よろしくお願いします〜」

一通り聞き終わり、解散になった。

1期生とは初配信の2日前に顔合わせがあるらしい。


ビルから出ると、ものすごい熱気が襲ってきた。

「あっつ〜!ねぇ、皆でスタバ行かね?」

小梨くんが言うと、

「良いですねぇ〜、行きましょう!」

リリちゃんも乗り気だ。

鳥座くんとののちゃん、もちろん私もOKだ。


意外にも人が少なかったので、私達は飲み物を一つずつ買い、

席についた。











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