第24話 また旅に行こうね

「じゃあ切るわ」

『ちょ、待ってよーまだ清水くんとの思い出も語りたかったのにぃー』

 と途中で電話を切って車に入る李仁。


「起きたのね、ミナくん」

「うん。寝ちゃってたね……ごめん」

 まだ眠たそうな湊音。目を擦って今いる場所はどこか気になるようだ。


「あと三十分くらいで着くわ。まだ寝ててもいいよ。それか何か飲む」

「あ、お茶でいい。李仁もコーヒー買ってこようか?」

「ありがとう、今のお茶が残ってるからいいわ」

 湊音は李仁のことをじっと見る。なんだろう? と思ったすぐに湊音がキスをした。

 2人は抱き合い、何度かキスをする。すると湊音は唇を離して耳元に……左の耳、あの清水と付き合った頃に開けた穴の辺りを舐めたのだ。

 李仁はゾワっとした。会話は聞かれていないはずだしそもそもジュリの発言だ。


 そして耳元で

「また、旅行しようね……」

 と囁かれたのだ。


「うん……、しようね」

 2人はまた抱きしめ合いしばらくしてから帰宅した。


 2泊3日滋賀旅行、2人にとって良い旅であったのは間違いない。


 終



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