【完結】美人なお姉さんに、日給2万でそばにいてと依頼された件~思わせぶりなお姉さんに、俺の理性がたまに仕事しなくなるんだが?~
空豆 空(そらまめくう)
第1章 美人なお姉さんとの出会い
第1話 お姉さんとの出会い
「え、マジ? 住所的にここだと思うんだけど……本当に、ここか!?」
俺――
そこにそびえ建っているのは、世間で言うところの超高層マンション。
都会の一等地……とまでは行かないものの、利便性の高い駅近の場所にある32階建ての高級マンションだ。
マジかよ、と思いつつ依頼表の住所を確認してみるけれど、間違いなさそうだ。よく見れば、マンション名にタワーってついてるし。
「はぁ~。こんな高級マンションに住んでる人とか、お客さんは一体どんな人なんだろう……」
俺は、マンションのエントランスに向かいながら、そこにたどり着くまでにある無駄に広い庭のようなところを歩いていく。
手入れされた花壇に、ライトアップされた噴水……いかにも高級マンション、という感じ。俺が住んでるアパートなんて、道路があっていきなり入り口だぞ、なんて思ったりする。
今日は、俺のバイト1日目。一人暮らしの生活費を稼ぐために『なんでも屋』のバイトをはじめたのだ。
俺がバイトを始めた『なんでも屋・ナンデーモ』の先輩によると、今日の俺の担当するお客さんである、
バイト初日の俺の初仕事にしては打ってつけだろうと、仕事を回してもらったのだ。
「はー緊張する―」
ドキドキする胸を押さえながら、長い息を吐き出して、やっとたどり着いたエントランスにあるインターホンで、依頼主の部屋番号を押す。
ピンポーンと鳴る呼び出し音の後、きれいな女性の声が聞えた。
「はーい。あ、便利屋さん? 今日もよろしくお願いしまーす」
(え? なんか声、若くね? それに、めっちゃ綺麗な声じゃね?)
その声があまりに想像と違っていて驚いた。
俺の中では勝手に、中年のセレブおばさんが出てくるイメージだったのに。
一体、依頼主はどんな人なんだろう。若くて綺麗なお姉さんだったりして。
なーんてことを思ったけれど、そんなうまい話、そうそうあるわけないよなぁ。
と、一人考え事をしながら超高層マンションのエレベーターに、キーンと内耳を痛めつけられながら依頼主の部屋がある27階までたどり着いた。
「うっわ、このマンション、廊下がふっかふかの絨毯じゃん。何ここ、ホテル?」
ついそんな声を漏らしながら依頼主の部屋の前にたどり着く。
(若くて綺麗なお姉さんが出てきますように。若くて綺麗なお姉さんが出てきますように)
心の中でそんなあり得ない願い事をしながらインターホンを押す。すると、『はーい』と綺麗な声が返ってきたので、期待に胸を膨らませながら挨拶をした。
「すみませーん、なんでも屋・ナンデーモの
帽子を脱ぎながら、恐らく向こうからは見えているであろうカメラ付きインターホンの前で会釈をする。
すると、ガチャッと開いた扉から出てきたのは……
本当に、若くて綺麗でいい匂いのする、お姉さんだった――。
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