子護りのミノタウロス娘 カミス(グルメ編)

 船で出発して三十分。

 屍鳥海賊アジト跡にやって来た。

 かつて、海賊のアジトがあった場所は、海賊船型のカフェに変わっている。

 路地花達は今、洞窟の天井の下で長いテーブルを囲んで座っている。

「お待たせしました! 屍鳥海賊ラーメンと新月丼のセット四人分おまちどおさま! 屍鳥海賊焼き塩で味をととのえて召し上がりください! 」

「いただきます!!!! 」

 四人は、最初にレンゲでスープをすくって飲んだ。

「ズズズッ! 」

「ズズズッ! 」

「ズズズッ! 」

「ズズズッ! 」

「うーん…………魚介の旨味…………」

「だけじゃない! 」

「緑茶の旨味がすっごいする! 」

「マーメイド娘の店員さん。このお茶は何ですか? 」

「いい質問ですね! 牛のお兄さん! 」

「オレ、まだ子どもなんだけれど」

「まぁ、とにかく。お茶について話しましょう。この店で使われているお茶は、かつて屍鳥海賊が遠くの島から手に仕入れたお茶。あたし達は、それを祖先した茶葉を島で作っているのです」

「それを、ラーメンに使っているのか? 」

 その間に、路地花がラーメンに焼き塩をかけていた。

 そして、箸で麺をすする。

「ズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズッ…………ゴクン…………おお、この焼き塩の香ばしさが、ラーメンの旨味を引き出しているよ! みんなも、伸びない内に食べなよ! 」

「うん!!! 」

「ズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズッ…………」

「ズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズッ…………」

「ズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズッ…………」

「ゴクン…………」

「おお、確かに焼き塩の塩味がお茶の旨味を引き立てている」

「あたしだったら、牛乳を入れたくなるな」

「お母さん。新月丼があるよ! 」

「新月丼? この真っ黒な小さい丼か? 」

「入れてみましょう! 」

「うん!!! 」

 麺を食べ終えた路地花達は、新月丼をスープに入れた。

 それをレンゲでよく混ぜる。

 ルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャ……

 ルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャ……

 ルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャルジャ……

 ルジャルジャ…………

 そして、できあがった黒いおじやをレンゲですくう。

「はぐぅ! 」

「はぐぅはぐぅはぐぅ!!! 」

「うう、海苔の旨味がお茶に味をより引き立てている」

「おじやというよりは、お茶漬けだなぁ! 」

「ウモウ! 」

「みんな、最後まで食べて魔方陣を受け取ろう! 」

「うん!!! 」

「はぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐ…………」

「はぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐはぐぅはぐはぐ…………」

「はぐぅはぐはぐ…………」

「はぐぅ…………」

「ゴクン…………」

「ごちそうさま!!!! 」

 路地花達は、2000Gを払ってマーメイド娘の店主の所へ行った。。

 その後、屍鳥海賊焼き塩を受け取る為の魔方陣をもらった。


 翌日、路地花はギルドで報酬60000Gをもらった。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る