鬼のようなワタシタチ
おもながゆりこ
第1話
会社勤めしていた頃の事。
ランチの時、何となく男性の暴力に耐える女性の話になりました。
「許せないよね、絶対に」
「そんな奴、別れればいいのよ」
などと、みんなやたら熱くなり、意見は飛び交います。
「中には入院する程の怪我をさせられる人もいるんだってよ」
「何それ、ムカつく」
「それで、そうなったらそうなったで、男が下の世話までするんだって、それで女性の方が許しちゃうんだって」
「信じられない!だってそいつのせいで入院する羽目になっているんでしょ、下の世話したからって許せないよね」
一同、ウンウンと頷きます。
ひとりが真剣に言いました。
「うんとクサイの出してやればいいのよ」
「そうね」
みんな共感します。
別の人が憤怒に燃えた顔で言いました。
「で、顔にシッコひっかけてやればいいのよ」
「そうよ、そうよ」
みんながさらに共感します。
別の人が拳を握りしめながら言いました。
「で、誰かに頼んでそいつも入院する羽目にしてやるのよ、で、ほっとくのよ」
みんなでいっせいに頷きます。
近くで聞いていた男性社員が言いました。
「恐ろしいな、うちの女性陣は」
「ほんと、鬼のようだ」
そうよ、だから逆らうなって言ってんだろ!
ふんっ( ˘꒳˘)
鬼のようなワタシタチ おもながゆりこ @omonaga
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます