真面目でクールな生徒会長が、休日だけ学校一の美少女として俺と付き合ってくれる⁉
譲羽唯月
第1話 今から私と一緒に過ごしてほしいんだけど…
高校二年生の
でも、今年中には作りたいと思ってはいるのだが、なかなか上手くいかないもので、それが今の悩みのタネになっていたのだ。
一番早い話、クラスメイトの輪に入って行けばいいのだが、自発的に行動する事に抵抗のある侑吾からしたらハードルが高かったのである。
それに、今は高校二年生の六月の終わり頃であり、クラスの人間関係が固まっている状況では、自分らしさを表現するのも困難を極めていた。
はあぁ……今日も無理か……。
放課後の教室内。
今日もクラスの誰とも会話する事が出来ないまま一日を終えた。
侑吾が通学用のリュックを背負い、廊下に出たタイミングで校内放送がかかる。
「二年の野村侑吾は今から生徒会室に来るように。繰り返します、二年の野村侑吾は――」
その声はまさしく、生徒会長のモノだった。
生徒会室へ呼び出される人は殆どいない事から、廊下にいる人らも侑吾の事をまじまじと見つめている。
周囲にいる人らは、侑吾の方をチラチラと見ながらヒソヒソ話をし始めているのだ。
変な空気感になりながらも、侑吾は俯きながらさっさと廊下を移動し、校舎三階の生徒会室へと向かう事にした。
後々面倒事に巻き込まれるくらいなら穏便に済ませたい。
侑吾が扉のドアノブを回し、生徒会室に入った頃合い。業務机に肘をついて席に座っていた生徒会長の
室内には彼女しかおらず、静かな空間がそこには広がっていた。
侑吾が初めての生徒会室に戸惑っていると、気が付けば目の前には、綺麗な黒髪のロングヘアが良く似合う生徒会長が佇んでいたのだ。
「あなたにはやってほしい事があるの。生徒会長命令で……その、今日の放課後から……わ、私と一緒に過ごしてほしいんだけど……」
――と、普段は真面目な姿しか見せない生徒会長が言葉を切り出したのである。
そんな彼女の表情は赤く染まっており、ゆえに可愛らしくもあり、今まで誰にも見せた事のない美少女然とした立ち振る舞いでもあったのだ。
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