第41話 サーダマ師団への迎撃

 ミナセたちが敵艦隊へ攻撃を仕掛けている間、残りの迎撃部隊は空からやってくるMessiahの対処に追われていた。


 最前線付近の戦艦の上に乗るGAMESのパイロット『ロビンソン』はレーザーライフルで空からやってくるMessiahの迎撃を行なっていた。


 このMessiahはザイード隊のMessiahと違い、特別な改造が施されていないため、彼らでも簡単に落とすことができる。


 それでも敵軍の数は多く、Messiahの3分の1程度は降下を許してしまう。


 ロビンソンも必死にMessiahの迎撃を行なっていたが、捌き切れなかった分のMessiahが彼が乗る戦艦の甲板へ降下してくる。


 ロビンソンはすぐにレーザーブレイドに持ち替えると、そのままMessiahへ斬りかかる。


 しかし、相手のMessiahは手だれであるらしく、彼の斬撃は躱されてしまう。


 そして、相手のMessiahはお返しと言わんばかりにロビンソンへチェーンソーを振り下ろしてくる。


 それに対し、ロビンソンはすぐにレーザーブレイドから盾へと持ち替えると、チェンソーを盾で防ぐ。


 だが、チェーンソーはGAMESの盾を破壊するために作られた近接武器であるため、ロビンソンの盾はそう長くは持たない。


 そのため、ロビンソンはもう一方の手に持つレーザーライフルでコックピットを狙い、見事にコックピットを撃ち抜いた。


 コックピットを撃ち抜いたロビンソンはそのままMessiahを蹴り飛ばすと、Messiahは海へ降下しながら爆発を起こした。


 ロビンソンは何とか危機を脱すると、そのまま空から降下を続けるMessiahの迎撃を続ける。


 レーザーライフルでMessiahを撃ち落としては取り逃がしたMessiahと甲板の上で戦う。


 この一連の流れをどれだけ続けた時だろう。


 この時はたまたま2機のMessiahがロビンソンの乗る戦艦にたどり着いてしまった。


 ロビンソンは前方から来るMessiahのマシンガンを盾で防ぎながら、後方にいるMessiahへ向けてレーザーライフルを連射する。


 しかし、ロビンソンは2つの方向へ気が取られているため、射撃が上手く当たらずに牽制にしかなっていない。


 ロビンソンはこのままこう着状態が続けば、自分がやられてしまうと思い、焦りを覚えていると、後方にいたMessiahが何処からか発射されたレーザーによって狙撃され、そのまま撃破された。


 そのチャンスを逃すロビンソンではなく、すぐに前方へレーザーライフルを向けると、目の前にいるMessiahに対して何発も発射する。


 そのうちの数発がMessiahに命中し、そのままMessiahはロビンソンによって撃破された。


 何とか2機のMessiahを撃破することに成功したロビンソンは援護射撃をしてくれた人の方へ視線を向ける。


 彼は隣の戦艦に乗っているGAMESのパイロットであるようで、こちらへ軽く手を振っている。


 それに対し、ロビンソンは手を振り返した瞬間、ロビンソンを助けたパイロットの乗る戦艦が敵軍の主砲に撃ち抜かれ、目の前で爆散した。


 爆破された戦艦に乗っていたパイロットも戦艦の爆発に巻き込まれ、そのまま死んでしまった。


 ロビンソンはあまりにも一瞬の出来事で脳の処理が追いつかずに固まってしまう。


 その隙に空から降下している最中のMessiahがロビンソンへ射撃を加えた。


 ロビンソンはその射撃への反応が遅れてしまい、左腕を吹き飛ばされてしまう。


 左腕を吹き飛ばされたロビンソンはすかさず腕を吹き飛ばしたMessiahへ向けてレーザーライフルで迎撃し、見事に撃破することに成功した。


 ロビンソンが片腕を損失するという大失態を犯し、これからのことを考えている最中、先ほど爆破したMessiahの方から極太のレーザーが彼が乗る戦艦に向けて放たれた。


 ロビンソンは危機一髪のところでそのレーザーを回避することに成功するが、戦艦の方は直撃してしまった。


 そして、ロビンソンの乗る戦艦はレーザーの直撃によって動力系に異常をきたし、大爆発を起こす。


 ロビンソンはその大爆発から逃れようと空中へ飛び出すのだが、GAMESの推力ではこの場から即時撤退することはできなかった。


 そのため、ロビンソンは戦艦の爆発に飲み込まれ、そのまま彼が乗るGAMESも爆発してしまった。


 享年223年6月20日。


 ロビンソン一等兵、サーダマ師団迎撃作戦において、敵軍による艦砲射撃により戦死。


 以後、彼を伍長へ特進する。

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