第19話 ニスベル隊の実力
12:40。
ニスベル隊を載せたプロペラ機はニニシア中央へ到着する。
ニニシア上空へたどり着いたニスベル隊はプロペラ機から順次降下していく。
空中を降下しているニスベル隊にガンは通信越しに指示を出す。
「敵軍は全部で15機、対する我々は9機だ。先行して出撃したものたちの情報から、相手のMessiahは通常よりも高いことが推察できる。我々の方が数が少ないため、3チームに分かれて各個撃破を狙うぞ!!」
そうガンが指示を出すと、彼らは威勢の良い返事を返す。
そして、ガンは隊員たちの実力を元に3チームに振り分けると、それぞれどこへ降下するのかも指示を出す。
そうして、3チームに分かれたニスベル隊はそれぞれ目標地点へ降下する。
ガンたちのチームはニニシア工科大学であり、彼らのモニターにはいくつものGAMESの残骸と破壊された大学の姿が映っていた。
その惨状にガンたちは悲しみ、レアル帝国軍への怒りを募らせた。
ガンたちがニニシア工科大学へ降下している最中、レーダーが敵軍のMessiahを捉える。
ガンたちはすぐにレーダーに映った場所を拡大して確認してみると、そこには避難シェルターを破壊し、中へ火炎放射器で民間人を虐殺しているMessiahの姿があった。
その様子を確認したガンは、
「貴様ぁぁぁあああああ!!!!よくも無実の学生たちを!!!」
あまりにも残酷な仕打ちに怒りが抑えられず、雄叫びを上げる。
それは彼と同じチームの隊員たちも同じだ。
彼らは避難シェルターへ攻撃を仕掛けるMessiahを止めるべく、装備している銃器を構える。
これは一見、普通のレーザーライフルのように見えるが、このライフルはフルオートでの射撃が可能だ。
そして、威力もGAMESのものよりも高くなっており、こちらのレーザーライフルもマタイ共和国が開発したものである。
3機は上空から狙いを定めると、Messiahへ向けて一斉に射撃を開始する。
これは完全な不意打ちであり、民間人を襲うことに夢中になっていたMessiahはレーザー弾に被弾し、右手を失う。
このまま射撃を続ければ、Messiahを仕留めることができるが、万が一でもジェネレーターに被弾してしまった場合、民間人が巻き込まれてしまう可能性が高くなる。
そのため、ガンたちはなるべく相手を仕留めないよう的確に相手の腕を撃ち抜いたのだ。
いきなりの襲撃を受けたMessiahであったが、右手を失ったタイミングで勢いよくスラスターを噴かしながら、後方へ下がりながら上空へ視線を向ける。
そして、Messiahとガンたちの視線が交差する。
その瞬間、Messiahは残った腕で落ちていたマシンガンを取ると、ガンたちへ向けて連射する。
しかし、ガンたちのBASIAの空中での運動機能は高いため、連射した弾丸は全て避けられてしまう。
ガンたちは次に、レーザーライフルをフルオートからセミオートに変える。
セミオートモードでは連射できない代わりに1発の弾丸の威力が高くなっており、レーザーの貫通力も上がっている。
ガンたちはセミオートモードへ切り替えると、降下し続けながらMessiahへの射撃を続ける。
Messiahは空中から降下してくるガンたちを必死に撃ち落とそうとしているが、弾が全く当たらない。
そうして、必死にマシンガンを連射していると、マシンガンをレーザーライフルによって撃ち抜かれてしまう。
その間にガンたちが地上へ着地すると、撃ち抜かれたマシンガンを投げ捨てたMessiahがチェーンソーに持ち替え、襲いかかってくる。
ガンは左手首あたりから射出されたレーザーブレイドの柄を手に持つと、ジェネレーターから送られたエネルギーにより、青色の刃が形成される。
そして、ガンは迫り来るMessiahのコックピット目掛けてレーザーブレイドを突き刺した。
その一撃は正確であり、ジェネレーターを傷つけずにコックピットだけを突き刺した。
コックピットを破壊したMessiahからレーザーブレイドを引き抜くと、その場でMessiahは倒れる。
ガンはMessiahを倒したことを確認すると、次の目標を探し始める。
彼らニスベル隊はBASIAでの実戦は初めてである。
しかし、ATLASでの戦闘は決して初めてではない。
彼らはGAMESで多くの戦場を生き抜いたエースたちである。
そんな彼らに高性能ATLASを渡せば、百人力であろう。
まずは1機のMessiahを倒したガンたちは次の目標を探している最中、自分たちの方へ近づく機体を確認する。
それはゴードンが乗る大型のレーザーライフルを携えたMessiahであった。
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