第17話 ゴードンの実力
12:20。
ニニシア降下作戦の実行部隊に民間人の虐殺を命令し終えたゴードンは次の獲物を探していた。
そして、ゴードンは小学校を見つける。
小学校を見つけた瞬間、ゴードンの顔は気持ち悪い笑みで歪む。
それと同時刻、ゴードンの元にマタイ共和国軍のGAMESが4機、ゴードンを取り囲むように空から降下してくる。
ゴードンは最高の獲物を前に邪魔が入ったことに心底イラついていた。
そして、ゴードンはコックピット内で叫ぶ。
「私の邪魔をするなあ!!!」
そう叫んだゴードンは、手に持つマシンガンを一番近くに降りてきたGAMESへ向けて発砲する。
狙われたGAMESはマシンガンから放たれる弾丸を防ぐために盾を前に構える。
その瞬間、ゴードンは左手に持っていた大型の銃器をGAMESへ向けて放つ。
大型の銃器からは極太のレーザーが照射され、GAMESの盾を貫き、機体のコックピットを的確に撃ち抜いた。
ゴードンは副隊長ということもあり、彼の乗るMessiahは他の隊員のものよりも強力な改造が施されている。
そして、彼が持つ大型のレーザーライフルはジェネレーター直結型であり、彼の機体のジェネレーターの出力が他のMessiahよりも高いがために使用が可能となっている。
まさか、レーザーライフル一発で盾ごと撃ち抜かれるとは思ってもいなかったマタイ共和国軍のGAMESたちは怯んでしまった。
それが戦場では絶対的な隙であるというのに。
ゴードンは彼らが怯んだ隙にレーザーライフルを次のターゲットへ向けて放つ。
狙われたGAMESは慌てた様子でレーザーを回避する。
その際、慌てて回避したこともあって体勢を崩し、その場に倒れてしまう。
その隙にゴードンは他のGAMESへ向けてマシンガンを連射し、狙われたGAMESは盾で銃弾を防がざるをえない。
ゴードンは位置取りを変えるためにもマシンガンを連射しながら走り出す。
それを逃さまいと残りの1機がゴードンへ向けてビームライフルを連射する。
しかし、ゴードンの巧みな操作技術により、レーザーは全て避けられてしまう。
そのことに焦りを覚えたのだろう。
レーザーライフルを連射するGAMESは更に速い速度で連射する。
だが、焦りによってその照準はブレブレであり、先ほどよりも精度が悪い。
そのため、ゴードンにとっては先ほどよりもやりやすかった。
ゴードンは背部スラスターを点火し、あレーザーライフルを連射するGAMESとの距離を一気に詰めると、チェーンソーに持ち替えた左手を勢い良く振り下ろした。
GAMESはまるで、バターのように機体を真っ二つに両断され、大爆発を起こす。
その時、先ほどまで倒れていたGAMESとゴードンにマシンガンで狙われていたGAMESが一斉にゴードンへ向けてレーザーライフルを連射してくる。
ゴードンは爆発によって発生した煙幕を利用し、彼らの視界から消える。
ゴードンを失ったGAMESたちはセンサーなどを駆使して索敵している最中、いきなり煙の中からレーザーが放たれ、1機のGAMESの頭へ被弾する。
頭を被弾したGAMESはその場に倒れそうになっていると、煙の中から無数の弾丸が放たれ、頭部を失ったGAMESの胴体は撃ち抜かれ、大爆発を起こす。
残ったGAMESは迫り来る死に耐え切れず、錯乱したように煙の中へ向けてレーザーライフルで乱れ撃つ。
しかし、レーザーがあったような感覚はない。
なので、GAMESはレーザーを撃ち続ける。
それが自分の位置を相手に知らせているとも知らずに。
GAMESが次のレーザーを撃とうとした次の瞬間、煙の中から極太のレーザーが放たれ、コックピットを撃ち抜かれてしまった。
そうして、全てのGAMESを倒したゴードンに、ついに楽しみにしていた時間がやってくる。
ゴードンは小学校の位置から計算し、彼らが逃げ込んだであろう避難シェルターを見つける。
そして、慣れた手つきでゴードンは避難シェルターの壁に穴を開ける。
避難シェルターに壁を開けたゴードンはまず、中の様子を確認する。
避難シェルターの中はパニックが起きており、騒然としている。
だが、そんなことはゴードンにとってはどうでもいい。
避難してきている民間人を確認してみると、中には大量の子供たちの姿が見えた。
その瞬間、ゴードンの顔はかつてないほど大きく歪む。
ゴードンはあまりにも興奮しすぎたため、一旦落ち着くために避難シェルターから視線を逸らす。
そうして、昂る気持ちを抑えた後、ゴードンは思いのままに避難シェルターへ腕を突っ込む。
そして、突っ込んだ腕を思いのままに掻き回す。
腕を振るたびに聞こえてくる悲鳴と肉が潰れる音にゴードンは絶頂に達する。
ゴードンはそのまま腕を掻き回していたのだが、いつしか中から声が聞こえなくなってくる。
もう終わってしまったかと少し残念に思いながら中を覗いてみると、まだたくさんの子供たちが生き残っていた。
そのことに歓喜したゴードンは再び深呼吸をして昂る気持ちを落ち着かせる。
そして、ゴードンは低音に設定した火炎放射器を穴へ突っ込むと、そのままトリガーを引く。
避難シェルターの中からは少しずつ命を削られていく子供たちの悲痛な叫び声が響き渡り、ゴードンのことを興奮させる。
そうして、ゴードンが楽しみ終わったタイミングで、ガブエラから通信が入る。
『ゴードン副隊長!!連合軍の奴らが来ました!!それも新型機です!!今すぐ援軍をお願いします!!』
「連合軍の新型機か。これはいい手土産になるな。それで、ガブエラはどこにいる?」
『ニニシア工科大学です!!た、助けて!!嫌だ!!死にたくない!!助けてゴードン副隊長ぉぉおおおお!!!!』
いきなりガブエラとの通信が途絶する。
ガブエラとの通信が途絶したのを確認したゴードンは落ち着いた様子で確認してみると、ガブエラの機体反応が消失していた。
「どうやら、ガブエラはやられてしまったようだ。せっかく可愛がってやったのに恩知らずの馬鹿だ」
ゴードンはそう呟くと、ガブエラの機体反応が消失した地点へ向かって進み始めた。
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