希望の戦機アストライア
大猩猩和
第一章 ニニシア防衛戦
第1話 プロローグ
かつて、地球に住んでいた人類は地球外生命体との出会いにより、宇宙へと旅立った。
そうして、人類が地球を旅立ってから2万年もの月日が経った。
人類は様々な星の生命体と出会い、いつしか彼らは共通の言語、時間、暦を生み出した。
宇宙での共通の暦は宇宙暦と呼ばれ、宇宙暦の始まりは彼らがこの暦を生み出した瞬間である。
宇宙暦150年、メタス星雲にあるレアル帝国が同じくメタス星雲にあるバール公国に戦争を仕掛けた。
この戦争はバール公国が勝利すると予想されていた。
何故なら、バール公国の方が軍事力はあったからだ。
しかし、この戦争は皆の予想を裏切り、レアル帝国が圧勝した。
レアル帝国は独自開発した新種の兵器である二足歩行型戦闘用兵器『ATLAS』をこの戦争で投入した。
ATLASは今までの二足歩行型ロボットとは比べ物にならないほどの運動機能を持っており、幅広い戦場に適合したロボットとなっている。
装甲も硬く、戦車程度の砲撃では傷一つつけることもできない。
武装も豊富であり、バール公国はATLASに対抗する術を見つけられず、蹂躙されてしまった。
そして、この戦争を機にレアル帝国は多くの国に戦争を仕掛け、領土拡大を推し進めた。
レアル帝国の猛攻を多くの国は抑えられず、レアル帝国に支配されていった。
かつては小国であったレアル帝国はいつしか、宇宙の中でも強大な国家へと成り上がった。
宇宙暦203年、強国へと成り上がったレアル帝国は全宇宙へ向けてアルカナ宣言を出した。
そのアルカナ宣言とは、レアル帝国が全ての惑星を支配すると言うものであった。
これは宇宙に存在する全国家への宣戦布告であり、レアル帝国は本気でこの世の支配を目指し、侵攻を続けた。
このアルカナ宣言を受け、宇宙に存在する国々はレアル帝国への蛮行に立ち向かうべく、手を組むことにした。
そうして、宇宙連合が設立されたのである。
宇宙連合はレアル帝国の侵攻を止めるべく、各地で衝突が起こる。
こうして、レアル帝国と宇宙連合との大規模戦争である『調停戦争』の幕が開けたのだった。
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