第24話

ある日、昼休みの教室で、ソラ、ミユ、ナユ、ツカサコ、そしてアイラの五人は真剣な顔つきで話し合っていた。恋愛禁止の校則が彼女たちの心に深い疑問を投げかけていたのだ。


「学校が恋愛を禁止するなんて、私たちの個人の自由を認めていないんじゃない?」ミユが口火を切った。「私たちが誰を好きになるかは、私たちの権利でしょ?」


「そうだよ。それに、恋愛を禁止することは、基本的人権を無視してるよね」と、ナユが続けた。「私たちには憲法で保障された自由があるんだし。」


ソラが頷きながら言った。「学校のルールは秩序を保つためにあるけど、それが私たちの自由を奪うものであってはならないよね。恋愛が感情のコントロールに問題を起こすというのは分かるけど、それを全面的に禁止するのは違うと思う。」


ミユは、以前の自分の告白を思い返しながら言葉を探した。「恋愛は人間にとって自然な感情だし、それを禁止するなんて無理があるよ。恋愛を禁止することで、かえって感情が不安定になることだってあるはず。」


ツカサコも頷きながら、「私たちの行動を監視して、恋愛を厳しく禁止するよりも、むしろ恋愛をどう健康的に進めるかを教育するほうがいいと思う。学校は、生徒たちが成長できる場所であるべきだよ。」


五人は決意を固め、学校側に訴えを起こすことに決めた。恋愛禁止という規則が、個人の自由や基本的人権を侵害しているということを、正式に校長に伝えるための書面を作成した。


そして、数日後、学校の会議室で五人は堂々と校長に向き合った。ソラが代表して発言した。「私たちは、恋愛禁止の規則が私たちの個人の自由を不当に制限していると考えています。憲法や法律に基づき、私たちの権利を尊重してください。」


校長は驚きの表情を見せたが、五人の真剣な目を見て、話を真摯に受け止めた。そして、学校側は慎重に検討した結果、恋愛の禁止を撤廃し、生徒たちが健全な恋愛関係を築くためのガイドラインを導入することを決定した。


そのニュースが学校全体に広まると、生徒たちは歓喜した。恋愛の自由が認められ、学校内での雰囲気は一気に明るくなった。アイラたちはその変化を喜びつつ、新たな日常に向けて歩み出したのだった。


「やっぱり、私たちが声を上げてよかったね」とミユは笑顔で言った。「これからは、もっと自由に自分の気持ちを大切にできる。」


ソラは微笑みながら、「そうだね。大切なのは、感情を正しく理解し、尊重すること。これからは、もっとみんなが自由に成長できるよ」と応えた。


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