シンクロニクル

第5話

能力を高める苦しい訓練

学校のトレーニングルーム

放課後、ソラ、ミユ、ナユ、ツカサコ、アイラの5人は、学校のトレーニングルームで行われる特訓に向かっている。部屋の中にはテレパシーの訓練用の機器や、感情制御のための装置が並んでいる。

「今日はまた特訓の日だね。」ミユが緊張した様子で言う。「前回のセッションはかなり厳しかったから、今回も覚悟しないと。」

「うん、でも頑張らないとね。」ソラが力を込めて言う。「私たちの能力を高めるためには、辛い訓練も必要なんだと思う。」

トレーニングルームの中央に立っているのは、テレパシーの専門教師であるカナ先生だ。彼女は訓練に向けた指導を行いながら、受講生たちを見守っている。

「皆さん、お疲れ様です。今日の訓練では、テレパシーの感情共有の精度を高めることに重点を置きます。」カナ先生が説明する。「感情の制御と共有は、私たちの能力を最大限に引き出すために非常に重要です。」

「はい、先生。」全員が一致して答える。

訓練が始まると、最初に行うのは「感情の共鳴」セッションだ。生徒たちは円になって座り、互いに集中することで、感情を共有する練習を始める。

「感情の共鳴を高めるためには、まず自分の感情を正確に把握し、相手に伝えることが大切です。」カナ先生が指示する。「感じることができる範囲を広げるために、強い感情を体験する必要があります。」

アイラが感情を集中させていると、ソラが突然、強い焦りと不安を感じ始めた。アイラはその感情の波を受け取り、他のメンバーと共有する。全員が互いの感情を感じ取ることで、訓練が進む。

「感情の制御が難しい時は、何か他のことに集中してみると良いですよ。」カナ先生がアドバイスをする。「心を落ち着けるための方法を見つけることも大切です。」

次に、訓練は「テレパシーの並列処理」セッションに移る。生徒たちは複数のタスクを同時に処理し、テレパシーを使って協力しながら問題を解決する必要がある。

「このセッションでは、情報の伝達速度と正確さを向上させることが目標です。」カナ先生が説明する。「タスクを分担し、協力し合いながら問題を解決してください。」

訓練が進むにつれて、ソラたちは次第に疲れが見え始める。特にナユは、集中力を保つのが難しくなり、感情の波に飲まれそうになる。

「大丈夫、ナユ。」ツカサコが心配そうに声をかける。「みんなで協力して乗り越えよう。」

「ありがとう、ツカサコ。」ナユが微笑む。「頑張るね。」

訓練の終わりには、全員が心身共に疲れ果てているが、達成感も感じている。カナ先生が微笑みながら言う。

「皆さん、お疲れ様でした。今日はとても良い進展がありました。苦しい訓練もありますが、その先には大きな成長がありますから、引き続き頑張っていきましょう。」

訓練が終わった後、ソラたちはロッカールームで汗を拭きながら話す。

「今日の訓練、すごく辛かったけど、少し成長できた気がする。」ミユが言う。

「うん、私もそう思う。」アイラが微笑む。「この辛さも、私たちの力を高めるための過程だってことが実感できたよ。」

「次回も頑張ろうね。」ソラが皆に声をかける。

「うん。」ナユが言う。