さよならの代わりに、ありがとうを
憑弥山イタク
ありがとう
出会いを、ありがとう。
貴女に出会えたから、無色透明無味無臭な私の人生は、大きく彩られた。
水道水のように彩りの無かった私の人生が、アクアブルーに染まった。
楽しみを、ありがとう。
酷くつまらなかった私の時間を、貴女の姿が、貴女の声が、貴女の動きが、貴女の言葉が、貴女が、時間を忘れてしまうほどに楽しく飾ってくれた。
貴女の知らないところで、アクアブルーに染まった私の心は、跳ね、浮かれ、笑っていた。
だけど、ごめんなさい。
私が如何に感謝を述べても、私が如何に感謝を綴っても、きっと貴女には届かない。
ただ唯一の救いは、涙を絡ませた私の声が、大きく脈打ち続ける心臓の音が、貴女には聞こえない。
寂しいと、悲しいと、どうしようもない、弱々しい声を、貴女には聞かれない。
だから、敢えて言いたい。
私を彩ってくれてありがとう。
私に楽しみをくれてありがとう。
ずっと大好きで、今も大好きで、きっと、この先もずっと大好きであり続ける。
貴女に彩られたアクアブルーの心も、きっと濁ったりせず、ずっと澄んでいる。
さよなら、なんて言いたくない。
私が言うべきは、感謝だから。
これからも、私は変わらず貴女が大好き。
残された時間も、過ぎてしまった時間も、貴女の居てくれた景色は、きっと色褪せない。
アクアブルーの心を、ありがとう。
さよならの代わりに、ありがとうを 憑弥山イタク @Itaku_Tsukimiyama
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます