さよならの代わりに、ありがとうを

憑弥山イタク

ありがとう

 出会いを、ありがとう。

 貴女に出会えたから、無色透明無味無臭な私の人生は、大きく彩られた。

 水道水のように彩りの無かった私の人生が、アクアブルーに染まった。


 楽しみを、ありがとう。

 酷くつまらなかった私の時間を、貴女の姿が、貴女の声が、貴女の動きが、貴女の言葉が、貴女が、時間を忘れてしまうほどに楽しく飾ってくれた。

 貴女の知らないところで、アクアブルーに染まった私の心は、跳ね、浮かれ、笑っていた。


 だけど、ごめんなさい。

 私が如何に感謝を述べても、私が如何に感謝を綴っても、きっと貴女には届かない。

 ただ唯一の救いは、涙を絡ませた私の声が、大きく脈打ち続ける心臓の音が、貴女には聞こえない。

 寂しいと、悲しいと、どうしようもない、弱々しい声を、貴女には聞かれない。


 だから、敢えて言いたい。

 私を彩ってくれてありがとう。

 私に楽しみをくれてありがとう。

 ずっと大好きで、今も大好きで、きっと、この先もずっと大好きであり続ける。

 貴女に彩られたアクアブルーの心も、きっと濁ったりせず、ずっと澄んでいる。


 さよなら、なんて言いたくない。

 私が言うべきは、感謝だから。


 これからも、私は変わらず貴女が大好き。


 残された時間も、過ぎてしまった時間も、貴女の居てくれた景色は、きっと色褪せない。


 アクアブルーの心を、ありがとう。

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さよならの代わりに、ありがとうを 憑弥山イタク @Itaku_Tsukimiyama

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