異界の神社2

翌日、霧が晴れた神社に戻ると、神社の周囲には依然として不自然な静けさが漂っていた。


午前中のうちに、神社内での調査を続けることにした。


神社の境内には、霧の影響で視界が悪かった場所が、今日は比較的はっきりと見渡せた。


本殿の近くにある石の上には古い文字が刻まれており、巻物の記述と一致している部分があった。

これが異界の扉に関連している可能性があると考えた。


その後、神社の近くにある井戸を調査することにした。

私は霊能者でも占い師でもない郷土研究家だ。

なので、霊感が強いというわけではないのだが、

私の経験上、水には霊が集まり易い。

そのため、井戸と心霊現象は切っても切れない関係にある。


井戸は神社から少し離れた場所にあり、周囲には廃墟となった小屋が点在している。井戸の内部には長い間水が溜まっていないようで、底には枯れた葉やゴミが堆積していた。


井戸の側面には古い紋章が刻まれており、神社の祭りと関係があるのかもしれないと考えた。


井戸の調査中、再び霧が立ち込めてきた。


霧が濃くなると、井戸の周囲で異常な冷気を感じるようになった。


周囲の木々や地面が揺れているように感じ、空気中に微細な振動がある。


異常な感覚に圧倒されながらも、井戸の内部を慎重に調べたが、特に変わった点は見当たらなかった。


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