裏世界と現実世界を行ったり来たり
西村いさな
オーラのある2人と咲
「すぅ……はぁー」
大きく深呼吸したのは通信制高校に通うことになる一年生の咲。
彼氏、彼女いない歴=年齢。
いつも恋愛したいなーとか、不思議な世界の戦士にならないかなーとか考えているバカ。
そんな私だけど今日はとても緊張している。通信に転入して最初の学校があるからだ。
「……お、はようございまぁす……」
部屋に入るとイケメンの男子と、男子か女子かわからない中性的な美人が座っていた。こちらをじっと見てくる。
「あ、え……あ」
先生と思われる人が1人もおらず、引き返そうとした。
「あ、おはよー! 咲さんだよね! こっち来ていいよー!」
明るい声の、見覚えがある先生がひょこっと出てきた。担任の吉岡先生だ。部屋、間違ってなくてよかった。
そしてパイプ椅子に座ると、
「この高校では……」
と1時間ほどの説明会が始まった。
「あの……私、咲! よろしくね……!」
説明会が終わって2人に話しかけてみた。人見知りだけど、人と話すのは大好きなのだ。
「……俺、勇人」
えー、そっけないな!イケメンの勇人のそっけなさに私は少しがっかりした。実はわたし、かなりの面食いなのだ。
「ごめんねー。せっかく話しかけてくれたのにこんなそっけなくて。あ、ルカだよ!」
ルカの優しい話し方にホッとする。
「えーと、」
何話そうかな…自分から話しかけたのに話題が見つからん…。えーと、うーんと、と考えているフリで誤魔化していると、ルカが話題を振ってくれた。
しばらくして連絡先を交換して、解散した。
なんか2人ともオーラを感じたなぁーなんか、ぐってぐわって…
よくわからない感覚を言語化しようとしたが、無理だった。
しかし、私が感じたオーラは正解だった。2人はある世界のある戦士だったのだ。
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