『短編』マルゲリータに愛を込めて
はた
はじめに※ネタバレ注意!!
マルゲリータに愛を込めて『用語集』
※注意!!この『用語集』はネタバレを含みます。
「フロントス王国」
北方に建国された中世ヨーロッパを思わせる国。大剣王ハルバードが一代で建国し、彼を中心とした十二剣王が守護する、山岳地帯に守られた「天然の要塞」世界中の国々の中でも、特別平和で、文化水準も高い。
「ピザ」
フロントス王国のトレンドの料理。国内には50を超える店が展開。どの店も味の水準は高い。観光客にも人気が高く、競争率も激しい。王国の重要な収入源の一つ。
「ニッキーハウス」
数々の名店が連なるフロントス王国の中でも、国一と称される超名店のピザ屋。特にマルゲリータは絶品。素朴ながらも洗練されているその味に惹かれるものは、数多。
「テッペイ親分」
ニッキーハウスの店主にして、料理長。白髪で大柄の頑固親父。立派な髭を蓄えており、特注の作務衣がトレードマーク。娘のアンを溺愛しており、彼女に群がる悪い虫には特別厳しい。
「ケルト」
物語の物語の主人公。ひょろっとしているが、物腰柔らかな好青年。青いエプロンと、頭に巻いた手ぬぐいが特徴的。テッペイ親分の唯一の弟子で、その腕は親分にも引けを取らない。
だが、親分には一向に認めてもらえず、弱腰になっている。自分に欠けている「何か」を求めている。
「アン」
テッペイ親分の愛娘にして、ニッキーハウスの看板娘のウェイトレス。そして、ケルトの想い人。彼女もケルトを好いている。亡き母親譲りの長い亜麻色の髪を三つ編みに。ケルトを認めない父親を最近、毛嫌いしているが彼は気づいていない。
「ハニービー」
フロントス王国の十二剣王の一人。十二剣王最年少の19歳の女性。小柄ながら、その剣の腕は確か。短いブロンドのポニーテールが特徴。
ニッキーハウスを贔屓にしており、ケルトとアンとも親しい仲。この店のフォルマッジが好物。その味覚は鋭く、二人の仲を取り持つ。
「ラプラス」
フロントス王国の十二剣王の一人にして、騎士団の剣術指南役。男性とは思えないほどの、美形の優男。プラチナブロンドのさらさらの髪。綺麗な翡翠色の瞳。女性団員や町の女性たちにも多大な人気を得ている。
だが、誰にもなびかないことから男色家の疑惑がある。しかし、その手のマニアの女性にも人気があり、唯一行動を共にするハニービーは妬まれている。
「フロントス・グルメ・フェスティバル」
年に一度のフロントス王国のグルメの大祭。国中の飲食店が決起し、観光客にも大変好評。今年で6回目を迎える。街中を剣士たちが見回るため、治安も安全。
ゴミも全くなく清潔。屋台も大変好評。メインイベントは国のトップクラスの料理店による、コンテスト。今年も当然ピザ屋が選ばれた。
その中にはニッキーハウスも含まれている。テッペイ親分は同大会で3連覇しているため殿堂入り。今年はケルトが出場している。
「サンドルマンCEO」
フロントス王国で一番の店舗数を数える「ジョルジュリータピザ」の総支配人。店舗数は多いが、ニッキーハウスの牙城を崩せず、毎年苦虫を噛んでいる。今年は何やら、不穏な動きを見せている。正直、商才の面では頑固者の親分以上。
「アインハーフ・バルゴピザ・セブンフィート」
皆、一流のピザ店ではあるが、超一流のニッキーハウスに
痛い思いをさせられている。
今年のフロントス・グルメ・フェスティバルのメインイベントに参加が決まっていたが、サンドルマンCEOにそそのかされ談合し、ニッキー潰しを計画するに至る。
「ネス・ストラーダ」
世界三大剣帝「覇王剣」に数えられる剣術の達人の青年。ラプラスに引けを取らない美男子。赤い髪に赤い服。袈裟を肩に掛け、剣ではなく黒い木刀を帯びている。
そして、世界一の信頼を持つグルメガイドブック『ネスランガイド』の編集長を務める。即ち世界一の味覚を持っている。今回、フロントス・グルメ・フェスティバルの審査委員長をゲストながらに勤める。
「大剣王ハルバード」
フロントス王国の建国の中心となり王となった剣士。今は剣をペンに持ち替え、政治の書類の山に全霊をかけている。現役時は魔王との対戦で討伐したほどの腕前。
今回のフロントス・グルメ・フェスティバルの審査委員長になるべき人物だが、その絶望的味覚により満場一致で審査員を降ろされた。そこに呼ばれたネス。彼とは旧知の仲。
「大魔導士ユカ」
剣王たちが統治する国だが、フロントス王国の「最高戦力」と称される女性。おっとりとしている…というかのんびり屋。口調もおっとりしているが、それも絶対的実力の成せる態度。
魔術の一つ、精霊魔術の達人。ハルバードには幼いころに助けられ、守られたことから、恩義を感じている。
-番外編-
「ラプラス様親衛隊」
「華」のユラン、「水」のケイミー、「雲」のシューティ。その他にも多数の女性で結成された、ラプラスのファンクラブ。
彼に剣を教わることを至福と感じ、盲目ともいえるやも。出しゃばり、抜け駆けをしないのが鉄の掟。しかし稽古後、彼とピザを毎日食べに行くハニービーには抹殺計画が立てられるほど。だが、ハニービーには悪意はない。
「シダール国」
フロントス王国から南方にある、砂地の王国。ケルトたち一行が修行の旅で訪れた。フロントス王国よりは文化水準は劣る。治安も良いとは言えない。
野菜とスパイスの名産地。国民食はカレー。フロントス王国で言うピザに匹敵する。スパイスは漢方にも用いられ、国民は健康な者が多い。さらに学問でも進展がみられ、将来は高水準の国になるとみられる。
「レイジー」
ケルトとアンのピザ修行の護衛として、フロントス王国の腕利きの騎士として護衛に着いた一人。銀色の刈り込んだ髪。フロントス王国では珍しいブラウンの瞳。背丈は少々小柄。
刀の使い手で、極度の女好き。だが強引すぎるナンパのため、モテない。そこを同僚のシャロンに諫められることも。
「シャロン」
レイジーと共に、ケルトとアンのピザ修行の護衛として、フロントス王国の腕利きの騎士として護衛に着いた一人の女性。レイジーより更に小柄な黒人の女性。
だが、その剣の腕はレイジーに匹敵し、素早さに関しては『十二剣王』のハニービーに次ぐとも言われている。
長い黒髪を編み込み、南の祖国の民族衣装を、嫌味なく見事に着こなしている。レイジーとシャロンは騎士団の中でも、極めて優れた味覚を持っている。
「ジョット」
シダール国に住む少年。ベンガールカリーという店の跡取りだったが、悪党に騙され土地と店の権利を奪われた。だが諦めず、ベンガールカリーに殴りこむ。そこをケルトたちに救われることになる。
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