第3話

雨天スタジアムの非常脱出口から飛び出すと同時に、空気が震えるほどの巨大な爆発音が響き渡った。猛烈な爆風がMILLENNIA(ミレニア)とIRIS(アイリス)を襲い、二人は体ごと吹き飛ばされるように感じた。暗い夜空が一瞬、白く輝き、スタジアムの上空に火炎が渦巻いていた。


暴風雨の中、二人はもみくちゃにされながら、必死で雨天スタジアムの駐車場にある車止めを掴み取った。鋭い熱と風が彼らを押しつぶし、雨が冷たく打ちつける中で、彼女らの身体は激しく揺れた。火の手が上空に立ち上り、周囲の視界を遮るほどの明るさを放っていた。


「なんとか助かったな。」MILLENNIAは震える声で呟いた。彼女の頬には雨と汗が混じり、息も荒く、体力の限界を感じながらも、生還できたことにほっとしていた。その言葉には、彼女が抱える深い安堵と共に、破壊的な運命から一歩だけ逃れたという僅かな希望が込められていた。


IRISは黙って彼女の横に立ち、火炎に照らされたその顔には一抹の疲労と冷徹さが浮かんでいた。彼女の存在は、周囲の混沌とした状況の中で、静かな中心点のように感じられた。爆風と煙の中で、彼女の目はどこか遠くを見つめ、思索にふけっているようだった。


「ここは安全ではない。」IRISが冷静に言った。その声は、荒れ狂う環境の中でも変わらぬ冷静さを保っていた。「すぐに移動しなければならない。」


MILLENNIAはその言葉にうなずき、彼女に従って立ち上がった。二人は、火の手が立ち込める駐車場から離れ、より安全な場所へと急いで移動を始めた。周囲には煙と火花が舞い上がり、時折雷鳴が轟き、彼女らの進む道を一層厳しいものにしていた。


逃げる最中、MILLENNIAは心の中で自身の不安と恐怖を抑えながら、冷静さを保とうと努めた。IRISの冷酷な態度に対抗するように、彼女もまた強い決意を持って行動していた。二人の背後には、夜の闇と火の影が伸び、彼女らの運命がどこへ向かうのかはまだわからなかった。

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