ダンジョン学園で落ちこぼれのダンジョンコアに召喚されたので俺がこの子を最強にしたいと思います
ヤスミ
第1話 転生
「おはよう、案外早かったね」
「え?」
「寝起きのところ申し訳ないけど、君はどこまで覚えているのかな?」
目が覚めると目の前には白髪黒目で悟った顔立ちのイケメンが居た。
何故か痛む体を支えてもらい何とか立ち上がる。
「あぁ、少し話が長くなるからそこに座っておくれ」
「えっと、ありがとうございます」
「それで君はここに来る前の記憶はあるかな」
「記憶……えっと」
ここに来るまで?
そもそもここはどこなんだ? 真っ白い床に突然飛び出た椅子と机、夢の中なのだろうか。
「残念、ここは夢じゃない、もう一度じっくり思い出してみてくれ」
俺は……
笹ヶ原高校の3年で……あぁ、朝寝坊して……あれ?
俺は……そうだ!
寝坊した後、普段は危ないから使わない近道を通って学校に行っていたはず。
「俺は学校行く途中で、ここまでしか思い出せません」
「そうだね、覚えてないのは幸いかな、君はその世界のバグのような物に殺されたんだ」
「バグ? 殺された?」
「君の世界はね、神が世界を作る時に出来た辻褄の合わないところを無理やり引っ付けて有耶無耶にして作った世界なんだ、だから歪みができてしまった、その歪みが怪物の姿になって君を襲ったんだ」
世界の歪み……怪物……
大きな肉塊に大量の目玉、俺はそれに潰されて……
「うっ、あぁぁぁぁ」
激しい頭痛と得体の知れない化け物に襲われた記憶を思い出し体の震えが止まらない。
「落ち着くんだ、もう大丈夫」
「……」
脳裏にこびりついて暴れていた怪物は目の前の男の一言で静まり返ってしまった。
「ここからが本題なんだよ、バグに襲われた魂はバグが残っている可能性がある、これ以上被害を増やさないために取られた特別措置が今回の転生という訳さ」
「転生?」
「そう、君の魂を1度作り替えて別世界に送るもちろん記憶はそのままだよ、輪廻の輪に還るのは魂に平等に与えられた権利、それを侵害するからこその特別措置つまり転生という訳さ」
とりあえず、目の前に起こっていることが現実で俺が転生することは確定事項なのだろう。
俺もあんな化け物と再び会うかもしれないと思うと向こうの世界でのんびり生きることも出来なさそうなので断るつもりは無い。
「よし、君は理解が早くて助かるよ、ここで発狂して話にならない人だって沢山いるんだ、誇っていい君は強い」
「えっと、転生する世界ってどんなところなんでしょうか」
「剣と魔法のいかにも異世界ってところだよ、君の記憶にあるラノベの世界をそのまま作ったみたいな世界でね」
「そ、そんなところで俺が生きていけますかね?」
「大丈夫だよ、魂を作り変える時にいくつか能力が手に入れられると思うし君は私が魂を作り変える子だからね、きっと大丈夫」
「さ、ここに長居するのも魂には悪影響だ、向こうでも元気でね!」
神様がそういうと俺は暖かい光に包まれる。
これが魂を作り変えるという作業なのだろうか暖かい何かが体に流れ込み、体が軽くなっていく。
「最後に、お名前、を、、、」
「……」
1番大切なことを聞き忘れてしまい俺は転生した。
◇???
「良かったんですか? 名前を伝えなくても」
「そうだねぇ、良いんだよ、私は信仰されるのがあまり好きではないからね」
「それにしても随分と肩入れしてらっしゃいましたが彼に何か見えたんですか?」
「彼は凄いよ、あの世界のバグと対峙して数分間逃げ回れたそうなんだ」
「あれを前にしても精神を保てるなんて凄いですね」
あの世界のバカ神が生み出したバグは普通の人間だと見ただけで廃人になるほどには力が強いのだ。
彼の運命がもう少し違えばあちらの世界のバグを倒す組織に取り込まれていたのでは無いだろうか。
「それに彼は面白い人生を歩むよ、今後娯楽には当分困らないかもね〜」
「仕事には支障がないようにお願いしますよ」
「分かってるよ」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
プロローグ的な第1話でした!
次回から本格的にダンジョンマスター要素が出ますのでどうか1話で止まらないで次も読んで見て欲しいなっ!
|´-`)チラッ
|ω・` )チラ
ハートや星、コメントで作者のやる気がバフされるのでそちらも是非!
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