怖かった

 夜中よなかめた


 いま、何時なんじ……。


 まくらもとのスマホにばそうとした。

 うごかない。

 が、からだが。


 な、なに?


 部屋へやのなかにだれかいる。


 かみながおんなひとだ。


 な、なんで? こわい!


 ベッドのまわりをまわっている。

 は、ない。

 ちくぼんだあなでしかない。

 くちは「あーーーー……」といっているようにけて、そのなかもくらだ。


 ぎゅっと目をじた。


 こわい、こわい、こわい!

 たすけて! あなた!!


 だが、おっとはすぐよこかるくいびきをかいている。


 いつのにか、女はえていた。

 体をこしたら、夫も起きていた。


「怖かったなあ。え? ああ、気付きづいていたよ。でもさ、起きていることに気付かれたらなにされるか分からないだろう?」


 つまを助けない、あんたが怖いわ。

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