火事

 ひといおじさんがいた。

 ひとらしだったが、町内会ちょうないかい仕事しごとこころよけてくれていた。

 こどもがたのしむ姿すがたるのがなによりたのしいと、こどもはいなくても子供会こどもかい手伝てつだいにもせいしてくれていた。


 火事かじだーっ!

 火事だーーーーっ!!


 真夜中まよなかこえに、近所きんじょのみんなきた。


 それがさいわいしたか、消防車しょうぼうしゃはや延焼えんしょうまぬがれた。

 残念ざんねんなことに火元ひもといえ全焼ぜんしょうしたが。


 後日ごじつ、お葬式そうしきでは大勢おおぜいひとなみだれた。


「火事のとき、あの人のこえいたよね」

姿すがたも見たぞ。さけびながらはしまわっていた」

最後さいごまでなんて人の好い」

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