赤い車

 夏期講習かきこうしゅうからのかえみち

 あつさにあえいで家路いえじいそいでいた。


 えきからのほそみちくるま一台いちだいなんとかとおれるくらいで、車同士どうしのすれちがいはいつも苦労くろうしていた。

 くびれたところでは歩行者ほこうしゃも車にたりそうになる。


 まえからゆっくり、あかい車がた。

 助手席じょしゅせきのおばさんは団扇うちわをパタパタあおいでいる。

 運転席うんてんせきえない。


 ゆっくりとすれ違う。


 え?


 運転席には骸骨がいこつ

 助手席のおばさんは普通ふつうはなしている。


 なに、あれ?


 呆然ぼうぜんいたが、日差ひざしの反射はんしゃで車のなかは見えなかった。

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