第5話

FEBRUARYとJUNEは、今日も忙しい一日を終えて家に帰ってきた。JUNEは手早く料理を作り始め、FEBRUARYはキッチンの片隅で、彼女を手伝うことにした。


FEBRUARY 「今日も忙しかったね。どんな料理を作るの?」


JUNE 「簡単なもので済ませるつもりよ。これといって特別なものはないけれど、日常の味を楽しんでほしいわ。」


FEBRUARYは、JUNEの手際の良さを見て感心しながら、テーブルのセッティングを手伝った。


部屋は柔らかな間接照明に包まれていた。木目調の家具が落ち着いた雰囲気を醸し出し、リビングルームの隅には観葉植物が飾られている。ダイニングテーブルは大きすぎず小さすぎず、二人分の夕食をちょうどよく収めるサイズだ。テーブルの中央には陶器の小さな花瓶が置かれ、その中の季節の花が彩りを添えていた。


JUNEはキッチンで料理を始める。広くはないが、機能的に整理されたキッチンには、よく使い込まれた木製のまな板や、艶を失った鋳鉄のフライパンが見える。彼女は冷蔵庫から野菜やハーブを取り出し、手際よく切り始めた。FEBRUARYは隣で、カトラリーやプレートを準備しながらその様子を見守っている。


「何を作るの?」と聞きながら、FEBRUARYはダイニングテーブルに麻のテーブルクロスを敷く。その上に、厚みのある陶器の皿や、温かみのある木製のカトラリーを並べていく。


JUNEは鍋の中でスープを煮込みながら、「今日は野菜たっぷりのスープと、パンとサラダだけよ」と返事をする。その声はキッチンに響き、心地よい生活音と一緒に部屋を満たしていった。


料理が完成すると、スープは白い陶器の深皿に注がれ、ほのかな湯気を立ち上らせながらテーブルに運ばれた。スープは優しいクリーム色で、具材のにんじん、ジャガイモ、セロリがその中に浮かんでいる。サラダは大皿に盛られ、ルッコラやトマト、クリスピーなクルトンが彩り豊かに並んでいた。テーブルにはさらに、小さなバスケットに入った焼きたてのフランスパンが添えられた。


FEBRUARYは一口スープをすくい、「ああ、すごく温かい。心までほぐれる感じがするよ」と嬉しそうに言った。JUNEは彼の感想に微笑みながら、自分もスープを口に運ぶ。


「このスープ、塩加減が絶妙ね。」JUNEは自分で作った料理に感心するように小さくつぶやいた。


「このパンも素晴らしい香ばしさだね」とFEBRUARYはバスケットから一切れを手に取り、スープに浸して食べる。その様子を見て、JUNEは「それが一番おいしい食べ方よ」と小さく笑った。


部屋の暖かさと料理の香りが、二人を包み込む。FEBRUARYは一瞬黙り込み、目の前の食事とJUNEの手際に感謝の念を抱きながら、食事を進めた。JUNEはそんなFEBRUARYの様子を見て、「こんな簡単な食事でも満足してくれると、私も嬉しいわ」と言う。


テーブルの上の料理は、派手さはないが、二人の穏やかな時間を見守るかのように、静かにその存在感を放っていた。


JUNE 「今日は特に特別なことはないけれど、こうして一緒に夕食を食べるのもいいものでしょ?」


FEBRUARY 「もちろん。どんなにシンプルでも、大切だと思うわ。」


JUNE 「ありがとう。こういった料理は、私たちの日常の中でのささやかな幸せだと思っているの。お腹が満たされるだけでなく、心も温かくなるのよ。」


夕食が終わると、FEBRUARYとJUNEはテーブルを片付け、一緒に過ごした時間を振り返りながら、また別の日常の中での瞬間を楽しむことにした。日常の一コマでありながら、二人にとってはとても大切な、心温まる夕食の時間となった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魔法と超能力の正しい恋愛と戦い/魔法封印戦争 紙の妖精さん @paperfairy

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る