銀翼の旅路
ESMA
旅の始まり
ブルルルルル!
エンジンの排気音とプロペラの
そして滑走路に出ると、ぐんぐんスピードを上げて滑走していく。
後ろのタイヤが上がり
「よし、飛べた」
「今日は、あの小林がいるから、この奇襲は成功だな」
「ああ、しかもこの隊ときた」
後方の銃座からも声が飛ぶ。
そして無線から、くぐもった若い男の声が聞こえる。
「だまれ」
そっけなく言う。
無線を切った別の機体からは良くない噂も聞こえる。
「あの小林とか言う男しょっちゅう命令違反しているようだな、今回も違反しないといいが」
妬みに似た声がエンジン音に溶け込む。
そしてしばらく飛んでゆくと、前からキラッと太陽光を反射するものがチラチラと見えてくきました。
「やっこさんのお見えだ気張ってけ」
「了解!!」
そしてさらに近づくと、鈍い緑色と灰色を基調に迷彩を施した数百機の重戦闘機がぐんぐんスピードを上げて突っ込んでくる。
「このまま突っ込むぞ!」
スピードをさらに上げて突っ込んでいきます。
突如、前の戦闘機から光が発せられました。
「各自、
そして、各隊がバラバラに
相手の7.92ミリ弾と20ミリ弾が虚しく空を切って前に
「後ろに付かれた!」
「そっちに行ったぞ!!」
無線からはさまざまな歓喜、悲鳴が入り混じって聞こえてきます。
「うるさいな」
そして陸は
「よし、久々に本気を出すぞ」
そして背を向けていた一機に狙いを定めました。
そして、20ミリ砲を、数発撃つとたちまち白煙を上げて地上に落ちていきます。
「よし、次だ」
さらに、別の機体に狙いを定めて機銃と20ミリ砲を数発。
この機体も羽から黒煙と炎を上げて
そのようなことが数回続き、20ミリ砲の弾が切れた帰投する。
そして滑走路の近くまで飛ぶと無線を開いた。
「こちら
「着陸を許可する」
そして、着陸を難なく終えると作業員の中から一際偉そうな男が歩み寄った。
「
短く冷酷に言った。
「なぜです!?」
「
「そうか」
「おまけに
「......」
「車は用意してある、それに乗って城門まで行くんだ」
そして車に乗り込むと屈強な男が両脇を挟み逃げられそうにもなかった。
「それじゃあ、せいぜい隣の国まで行くことだな」
そして陸は、少量の食料と水を持たされて門から、追い出されました。
そして外に一歩出ると、すぐに城門が閉められて陸一人だけになりました。
「しょうがない、一人歩くか」
いつも
しばらく一人で歩いていると前に戦闘機の
駆け寄ると
みると未開封の缶詰と、金属製容器に入った水が落ちていました。
その傍には、
「俺には何もできないぞ」
それをおろすと、食糧と水に
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