ノアの調査録
とおあさ
第0話 黒い閃光
20××年8月11日、太平洋上空10キロ地点に突如、黒く染まった箱が出現した。
現時点で分かっていることは、核を除く攻撃手段では軽い傷しか残らないこと、
大きさは縦横で東京が入り、立方体であること、
構造が全くの段ボールと同じであり薄さの比率も正確に再現されていることである。
被害はほとんど出ておらず、航空の経路変更による遅延が発生しただけなので、各国のほとんどの軍は撤退となった。
ただ、ほぼすべてといえる機関がフル稼働となり、調査も本腰を入れ始めた。
そして、国連発足の調査チームリーダーとなったのが僕、三笠守だ。
宇宙物理学の新物質について成果を出していたからだろう。
「なぜあんなものが浮けるんだ」
「海中にこんなものがあったのか?」
「本当に人体に影響がないのか」
航空工学、海洋学、WHOなどの専門家などが同伴し、空にずっと疑問を投げかけている。
ただ実際は、行ったところで何か出てくるわけでもなく、なんも変哲もないただの浮いている箱だった。成果を上げないと変えることなんてできないので、わかってはいたが、泊まりとなった。
同月18日、事態は急変した。多くの言語と思われる記号で埋め尽くされたのだ。
解析チームによれば、一割に満たない程度の記号なら史実を用いて読むことができるらしい。理論上、英語を見つけるには五年はかかると計算結果が出た。
そしてその内容は
ー9つの王に預言書を渡す
とあった。謎の残りそうな文章ではあったが、すぐに解決した。
アメリカから始まり、フランス、イギリス、日本、ドイツ、北朝鮮、中国、ロシア、カナダのトップが持っているらしい。
十の国が持っている謎もあったが、あまり問題でもなさそうだ。
フランスは本の証明をするべく、本の第一節を試すために記者会見を行った。
「この本を見た人が、100人を超えると、使命を終え形を変えるとの一節があるので、この場で情報を公にするのも兼ねて、本を皆さんに見せる。」という大胆な演説から始まり、真ん中のページを開いた。
その瞬間に、異臭を放ちそれは土となった。
全ての存在した言語が書かれる。預言書が配られる。などが追加され、いよいよ僕たちはオカルトをまじめに研究し始めた。
次の日、物体は1㎞四方となり、ほぼすべてが読める文字に選別された。
誰もがいろいろな情報を信じ恐怖をした。
ただこれが始まりとなることは間違いがなかった。
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