花が咲きかえる頃に

金時Aya

第1話 美人転校生

ツツジが咲く雨の日

うえーんうえーん 

泣かないで!あなたは男の子でしょ?

だって、だって…

メソメソしないの!そうだおまじないを教えてあげる

おまじない?(泣)

「うん!そう!それはね、きみは」


雀と蝉が合唱する朝。

 (なんだ?今のは…夢…なのか?ものすごい既視感を感じる…ものすごい懐かしい。)

そんなことを考えていると扉の開く音がした。


「お兄ちゃん!いつまで寝てるの遅刻するよ!」

あー悪い悪い。で今何時だ?

「8時10分」

「え?!嘘でしょ?やば遅刻しちゃうじゃん!もっと早く起こしてよ!」

「早く起きない兄が悪い!」

 うぐぐ…

「おはようフジ。ご飯どうするの?」

「そんなの食べてる暇ない!急いで準備していくから」

「昨日遅くまでゲームやってるからでしょ?お母さん知ってるんだから」「わかったわかった」「もうあの子ったら…」

 今更言おう俺の名前はフジ絶賛遅刻寸前だ。


 「やべ急がないと。足を止める暇なんてない!」

 俺の学校は8:20分までに登校しないと遅刻扱いになってしまう。いまのところ無遅刻無欠席なためここで遅刻するわけにはいかない。幸いにも家から学校は走れば2分くらいで着くため全力疾走で行っている。


はぁあ…はぁあ。学校にはついたけれども汗がものすごい。それもそうだ。今はひまわりが咲く7月。朝から20度は超えてるため汗をかいても不思議ではない。


念の為タオルを持ってきておいて正解だった。教室に入る前にタオルで汗をかいたところを拭き取り教室に足を入れた。フジからして教室はまさに天国であった。朝から冷房が効いており、とても涼しいからだ。


「おはよう諸君!」

「お前か。珍しく今日は遅かったな」

こいつの名前はレン。よくふざけあったりできる数少ない親友と呼べる存在だ。

「おお、レンおはよう」

「フジ実はな、今日転校生が来るらしいで。」

「ほほーん?その根拠はあるん?」

「ああ、あるさ。朝先生とその 転校生が話してるのを見たからね」

「うそ?!ちなみにその子って……女子?」

「聞くと思ったぜ親友!なんと……女子だ!」

「しかもな、さらっさらのロングヘア」

「おっもうそろそろチャイムなるな。この後になったらわかるから楽しみにしておけよー」


キーコーンチャイムがなり廊下からはコツコツと足音がなってる。先生が来たのだ

ガラガラ教室の引き戸が開き担任が入ってきた


「起立 きよつけ 礼」

「おはようございます」

「はいおはようー」


先生は今日の予定とひとまずみんなに伝え、本題に入るった。

「今日はみんなに新しい仲間を紹介します」

「入ってきて」

その言葉と同時に転校生が入ってきた。サラサラのロングヘアに整った顔立ち。身長は平均くらいで制服がとても似合ってる。男女問わずクラスの皆を魅了するほどの武器は備わってる。

「自己紹介して」 「あ、はい」


「山口県から来ました黒崎百合です。みんなと仲良くできるといいと思います」


その瞬間クラスは拍手で溢れた。皆が彼女を心から歓迎してるのだ。黒崎さんの席は窓側の1番うしろね

「え?うそ」


思わず声が出てしまった。それもそうだあんな可愛い子が隣に来るのだから。まさにアニメみたいな展開だ。


「よろしくね」 そういい顔を斜めにし笑顔で俺に言った。(殺しに来てる…?)

 この出来事が人生に大きな衝撃を与えるなんて彼は思ってもいなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る