第58話

フォロワー190記念爆速更新!

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「うぉおお! すげぇ! 本当に生徒会長と東雲がいるぞ!」

「学園最強VS期待のニューヒーロー、すごいカードだな!」

「SNSで見た時は半信半疑だったけど、マジで試合すんのかよ!?」


 外の訓練場で俺とアイシャが向き合うと、周囲から次々生徒たちが集まって来る。

 どうやら、俺らのことがSNSで拡散されているらしい。


「お前さんも有名人だね。じゃあ巻き込まないように、戦闘方法は素手オンリーでいいか?」

「いいぞ。こっちも覚えたての水魔術よりもこっちのほうがわかりやすい」


 アイシャの構えはスタンダードなボクシングスタイル。

 拳を胸の高さに、カカトを跳ね上げステップを踏む。


 その動きに合わせて、スイカ大の爆乳がばゆん、ばゆん、と揺れて、周囲の男子たちの視線も追従した。


 ――あれってわざとやっているのか?


 アイシャの性格はこの短時間でだいたいわかっている。

 この人なら、相手の集中力を乱すためにわざとおっぱいを揺らしていてもおかしくないだろう。


 ――まぁいい、先手必勝、速攻で終わらせる!


 俺がかかとで地面を蹴ろうとした時、アイシャは鋭く目を細めた。

 そして、居丈高な声が割り込んできた。


「ちょっと待ちなさい!」


 気勢を削がれた俺とアイシャが首を回すと、そこには学園トップクラスの美貌とプロポーションを誇るスター性と、アメリナ・ハリソンが眉を吊り上げ立っていた。


 アイシャ並みの爆乳を揺らしながら、ずんずんとこちらに近づいてくると、彼女は俺に怒鳴ってきた。


「ちょっとアサトシ、さんざんワタクシからの挑戦状を断っておきながら生徒会長と決闘とはどういうことよ!?」


 まったくこいつは、と俺は呆れて眉根を寄せた。


「別に決闘じゃねぇよ」

「こんど上位ランカー数人で戦場に行く予定でね。アサトシにその実力があるか確かめようってことになったんだ」


「アラ、ならアサトシよりも、このワタクシ、アメリナ・ハリソンを連れて行くべきでは? 何せワタクシ、この前のテロ事件解決で序列が94位から90位に上がりましたからッ」


 どたぷん、と胸を張りながら、アメリナは手の甲を口元に添えて笑った。

 漫画なら、おーほっほっほっ、という声でも聞こえてきそうだ。


「ならお前さんもあたしと戦ってみるかい?」

「いいですけれど、生徒会長さんは格闘家とか? ワタクシのイカロス相手に素手で戦ってケガをしないかしら?」


「心配いらねーよ。じゃあ、いつでもいいぞ」


 アイシャは10メートルの距離を取り、アメリナと向かい合った。

 二人の合意に、周囲の男子がざわついた。


「しゅげぇえ! 生徒会長にアメリナって、学園トップクラスの爆乳女子じゃんか!」

「東雲の試合見に来たけど、こっちのほうが見ごたえ抜群だな!」

「視界スクショ、動画撮影機能解像度最大! 二人の乳揺れは絶対に逃さないぜ!」


 ――お前らは下心を隠す気がないのか……。


「じゃあ、いつでもいいぜ」


 アイシャが手招きをすると、アメリナは勝利の笑みを浮かべた。


「ふふ、重火器相手に距離を取るなんて、おバカじゃないの!」


 アメリナはイカロスをまとい、そしてオービットがレールガンを放った。


「よっ」


 弾丸はアイシャの頬をかすめもせずにスルー。

 背後に地面に着弾して、土砂を撒き上げた。


「なっ!? このっ」


 アメリナは四機のオービットと両手のライフルを撃ちまくり、弾幕を張った。

 レールガンによる物理弾、プラズマライフルによるプラズマ弾。

 けれど、どちらもアイシャには当たらなかった。


「そんな!?」


 驚愕するアメリナに、アイシャはへらへらと説明し始めた。


「銃口を見れば事前に軌道はわかる。一度放たれた弾丸は軌道を変えない。銃ほど避けやすい攻撃はねぇよ。特に、お前さんが手に握るライフルは引き金を引く指が攻撃のタイミングまで教えてくれるからな」


 アイシャは弾幕の隙間を縫うようにステップを刻み、裂けきれない時はレールガンの超音速弾を手の甲で受けて逸らしていた。


「レールガンを、素手で……?」


「おいおい、ここは学園ラブコメ漫画じゃないんだぜ? 限界まで鍛えた体を肉体強化魔術でさらに強化すれば、魔獣とも素手で渡り合える。そんなこっちの業界じゃ常識だろ?」

「ッッ……」


 アメリナは悔しそうに歯噛みした。

 彼女だって、知らないわけではないだろう。


 実際、俺だって彼女の前でドレイタスと殴り合っているのだから。

 ただし、過大評価だと侮っていたんだと思う。


 いまのアメリナを例えるなら、空手チャンピオンを所詮素手だろとナメてかかった剣道有段者が、試合をしたら竹刀をへし折られて唖然、みたいなものだろうか。


「はい、到着」


 弾幕をかいくぐったアイシャが、アメリナの目の前に立った。

 この距離で銃火器は使えない。


 アメリナは素早く腰のプラズマブレードを抜こうとして、アイシャに機先を制された。


 アイシャの右手はアメリナのプラズマブレードのグリップを抜けないように抑え込み、残る左肘がアメリナのみぞおちに深く沈み込んでいた。


 アメリナは白目を剥いて昏倒、だらしなく四肢を投げ出して、動かなくなった。

 一方で、アイシャは汗一つかいていない。


「こいつ強いな。あたしが全力でないと避けられなかったよ。連れて行こう。で、アサトシ、お前さんはこいつのライバルなのか?」


「一方的に絡まれているだけだよ」


 俺が辟易とした声を漏らすと、アイシャはあごに手を添えた。


「ふーん、ならお前さんも合格でいいや。じゃ、腕は立つけど名誉の興味がない奴、他にいたら教えてくれ。こいつは五分もすれば目を覚ますから医者はイラネー」


 そう言って、アイシャはクールに立ち去った。


 アメリナは強い。

 俺でも、ここまで一方的に勝てないだろう。

 そこは、流石は生徒会長と言うところか。


 エリジオン学園生徒会長 アイシャ・アラビアーナ 序列6位


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●今日の雑学

 手と腕を繋ぐ手首、脚と足を繋ぐ足首、胴体と頭を繋ぐ首など、首は何かと何かを繋ぐものなのにおっぱいの先端を乳首と言う理由。

 おっぱいは誰かに吸われている状況を想定して他人の頭と自分のおっぱいを繋げる場所ということで乳首と呼ぶ。

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