第7話
仁奈、知、すずか、が教室の窓辺に集まっていた。窓の外に、小鳥が倒れているのが見える。どうやら、窓にぶつかって気を失ってしまったようだ。
知 「わぁ、可哀想に…。どうしよう?」
仁奈 「助けてあげよう!」
すずか、は慎重に窓を開け、外にいる小鳥を優しく手に取った。小鳥はまだ動かず、息も弱い。
すずか 「大丈夫かな…?」
仁奈 「何か方法を考えないと。」
知が小鳥の足を見て、何かが巻きついていることに気づいた。白い小さな紙が小鳥の足に巻きついていた。
知 「これ、何か書いてあるみたい…。」
三人はその紙を広げてみると、住所と名前が書かれていた。
すずか 「これって、小鳥の飼い主の住所だよね?」
仁奈 「そうだね。おそらく飼い主がこの鳥を探しているかもしれない。」
知 「私たちが届けてあげたほうがいいね。」
すずか 「うん、そうしよう!」
三人は小鳥を優しく包み込んで、家に帰る前にその住所を頼りに行くことに決めた。学校の帰りに、彼女たちは指定された住所へと向かうことになった。
住宅街の一角にある小さな家。庭には花が咲き、平和な雰囲気が漂っている。
家に到着すると、三人は門をくぐり、インターホンを鳴らした。しばらくして、中からおばあさんが出てきた。
おばあさん 「はい、どなたですか?」
仁奈 「こんにちは、おばあさん。実は、こちらの住所に小鳥がいるという紙が付いていたので、届けに来ました。」
おばあさんは驚きと喜びの表情を浮かべ、小鳥を見て目を潤ませた。
おばあさん 「まあ、なんてこと…! 私の小鳥がどうしてこんなところに…。」
知 「すみません、教室の窓で見つけたんです。おばあさんが小鳥を探していたんだと思って。」
おばあさん 「本当にありがとうございます。実は、昨日から小鳥が行方不明になっていたんです。」
すずか 「良かった。無事に戻ってきて。」
おばあさんは三人に感謝の気持ちを伝え、小鳥を優しく手に取った。小鳥も少しずつ元気を取り戻し、羽を動かし始めた。
おばあさん 「本当にありがとう。お礼をさせてください。」
仁奈 「いえ、これで十分です。小鳥が元気になってよかったです。」
三人はおばあさんと別れ、帰り道に小鳥の飼い主に届けることができた喜びを胸に、それぞれの家路へと向かっていった。
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