色相

私が嘆くと観客は不安そうに私を見る。あるいは悪役に対する怒りを見せる。けれど、悪役が引き下がると安堵や喜びが見える。

私の役目は物語を伝えること。

それだけじゃない。観客の心を彩ること。

感情を揺れ動かして、最後には笑顔で帰ってもらう。

その顔を見て、私もまた感情の色を貰うのだ。

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