「まんが日本昔ばなし」の個人的な名作を紹介するエッセイ

朽木桜斎

加茂湖の主

<タイトル>


加茂湖かもこぬし


<ポイント>


加茂湖の主のアングル


<解説>


 新潟県佐渡市に伝わる昔話です。


 ここに加茂村かもむらという村があって、その村人たちは加茂湖という湖を生活の糧としていました。


 ところが強欲な長者である武衛門ぶえもんは、お奉行さまと結託して加茂湖を埋め立て、佐渡で一番の長者になろうともくろんでいたのです。


 このお話は最終的に、その武衛門が加茂湖の主からおそるべき復讐を果たされるというストーリーになっております。


 最後の最後、村娘に変化した主から骨抜きにされた武衛門が、主といっしょに湖の上で踊るというシーンがあるのですが、注目したいのはこのときの主の「アングル」なのです。


 こっちを斜め下からねめあげるように薄気味悪い笑みを浮かべる主。


 ひらひらと舞う両手が旋律に拍車をかけております。


 よくもこんな演出や絵を思いついたなと、スタッフさまがたには頭が上がらない気持ちです。


 実在の事件が元ネタになっているという情報もあり、犯人はやはり、村人の何者かではないのかと言われていたりもします。


 「人間が一番おそろしい」


 これはこのアニメで子どもながら学んだことのひとつですね。


 興味がおありでしたら、よろしければ調べてみてください。


 「主のアングル」はもはや芸術といってもよい仕上がりになっていると、個人的には思うのですが。


 ちなみに現役で見ていた子どもたちは、こぞってトイレに行けなくなったと述懐しておりますので、念のため。


 気が向いたらまた投稿してみます。


 ではでは。

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