第11話

水泳部の練習が続く中、理科は日常生活と学業のバランスを取るために努力していた。試験勉強のため、大学の図書館で集中して勉強している理科が、気になる問題に取り組んでいた。


図書館の静かな雰囲気の中、理科は机に向かい、一心にノートに目を通していた。しかし、周囲の雑音が気になり、時折集中力を欠くこともあった。彼女はテストのための勉強と水泳の練習の両立に苦しんでいた。


その時、図書館の入口から古琴が入ってきた。古琴は理科の近くの席に座り、彼女が集中している姿に気づく。


古琴

「理科さん、勉強しているんですね。ここでの勉強はどうですか?」


理科

「古琴さん…。はい、試験が近いので、一生懸命にやっているんです。でも、なかなか集中できなくて。」


古琴は理科の隣の席に座り、彼女の表情を優しく見守りながら言葉をかけた。


古琴

「練習と勉強の両立は大変ですよね。私も同じような経験があります。少し気分転換をして、また取り組んでみるのもいいかもしれません。」


理科

「ありがとうございます。どうしても集中力が続かなくて…。」



図書館の静けさの中、古琴はお茶の瓶を取り出し、慎重にその蓋を開けた。瓶からはほのかに香るお茶の香りが漂い、空気をやわらげるように感じられた。瓶の口をカップに傾けると、透明な琥珀色の液体がカップに注がれ、軽やかな音を立てて広がる。


古琴

「これ、お茶です。少し飲んでみてください。」


古琴は理科の前にカップを差し出し、穏やかな笑みを浮かべながら言った。

「お茶はリラックスできるかもしれません。ちょっとだけ休憩して、気分を整えてください。」


理科は少し驚いた顔を見せつつも、静かにお茶を受け取った。カップを手に取り、ゆっくりとその温かさを感じながら、香りに包まれる。その一瞬で、理科の疲れた心がほっと落ち着くような気がした。


理科はカップに口をつけ、ひとくち含む。お茶の味が広がり、喉を通ると同時に、身体の中で軽く温かさが広がるのを感じた。しばらく目を閉じてその味わいを楽しむと、気持ちが軽くなり、心に溜まっていた緊張が少しずつ溶けていくのを実感した。


「このお茶、とても美味しいです…」理科は静かに言った。お茶の温もりと香りが、彼女の集中力を取り戻させるかのように感じられた。


理科

「古琴さん、本当にありがとうございます。気持ちが落ち着きました。おかげで、もう少し頑張れそうです。」


古琴

「よかったです。勉強と練習の両立は大変ですが、少しずつ慣れていけば大丈夫ですから。」


古琴は微笑んで頷きながら、静かな時間が流れるのを見守っていた。理科が落ち着いてから、もう一度声をかける。

「少し気分が楽になったなら、また頑張ってくださいね。」


理科は感謝の気持ちを込めて、お茶のカップを軽く持ち上げ、心の中でその優しさに感謝した。お茶を飲み干すと、再び勉強に戻る準備が整ったように感じた。


古琴と理科はしばらく静かに図書館で過ごし、お互いの存在が心の支えとなっていた。理科は古琴の言葉に励まされながら、試験勉強と水泳の練習を両立させる決意を新たにした。


理科(モノローグ)

「勉強と練習、どちらも大事なことだと思う。古琴さんの言葉を胸に、少しずつ進んでいこう。大変なこともあるけれど、自分の目標に向かって頑張る価値があると信じたい。」


その日、理科は図書館を後にし、外の風に触れながら一息ついた。彼女の心には、古琴との会話が大きな支えとなり、新たな気持ちで挑戦を続ける意欲が湧いていた。

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