第8話
理科の自室には、勉強机と本棚が整然と並び、壁には水泳の大会で撮られた写真がいくつか飾られている。窓からは夕陽が差し込み、部屋に柔らかな光をもたらしていた。理科はベッドに座って考え込んでいる。
古琴が部屋のドアをノックし、少し躊躇いながら入ってきた。理科は振り向いて、古琴を迎え入れる。
古琴
「理科ちゃん、どう?ずっと考えてるみたいだけど、何か悩んでるの?」
理科は少し沈黙してから、古琴に向き直りながら言った。
理科
「うん、実はね、大学の水泳部の話、すごく悩んでるんだ。」
古琴は理科の隣に座り、彼女の表情を見つめた。
古琴
「白崎先生の提案でしょ?確かに大きなチャンスだけど、理科ちゃんにとっては不安なこともあるよね。」
理科
「うん。今の高校生活も充実してるし、大学での練習に参加することで、どうなるのか不安なんだ。」
古琴は理科の手を軽く取り、励ますように微笑んだ。
古琴
「それはすごく理解できるよ。でも、理科ちゃんがどれだけ努力してきたかを知ってるし、挑戦する価値はあると思うな。」
理科
「そうかもしれないけど、今の生活を変えるのが怖いんだ。新しい環境に飛び込むって、簡単じゃないよね。」
古琴
「確かに。でも、理科ちゃんが本当に挑戦してみたいと思うなら、後悔しないようにするのが一番だよ。私はいつでも応援するから。」
理科は深呼吸をしながら、自分の気持ちを整理しようとしていた。
理科
「ありがとう、古琴ちゃん。あなたの言葉を聞いて、少し気持ちが軽くなったよ。白崎さんの提案を受けるかどうか、まだ決めかねているけど、挑戦する価値があるかもしれないって思えてきた。」
古琴
「それが理科ちゃんの答えなら、応援するよ。自分の直感を信じて、納得のいく選択をしてね。」
理科は微笑みながら、心の中で新たな挑戦に向けての決意を固めていった。古琴がその隣で静かに支えながら、理科は自分の未来についての選択を深く考えることにした。
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