恋色の街角で

春一番

 夏の始めだった。


 信号待ち。汗が背を伝う。

 横断歩道の向かいに、同じくらいの年の女の子がいた。綺麗な黒い目が、僕を見ていた。

 信号が青になると、僕は急いで少女から目を逸らして歩き出した。すれ違いざまに、また少女を見る。

 僕は、恋をしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る