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  • 6 金朱への応援コメント

    コメント失礼致します。
    貧しいながらも幸せに生きる兄妹、そんな二人の中に生まれた大きな歪み。
    個人的な解釈ですが、限られた「今」を噛み締める主人公に対して、兄は「未来」を望んでいたのだと思いました。例えそれが妹の望むところではなくとも、ある種の独善を孕もうとも、自分の理想と主人公の為に。
    主人公は「女性の人」、兄は「女」と言っているのも印象的でした。発言の中に溶け込んだ無意識的な差別意識も、二人のすれ違い、そして悲しい結末を招いたのだと思います。
    解釈違いでしたらごめんなさい🙇
    改めて自主企画へのご参加、ありがとうございました。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    おっしゃるとおり、知美は「今」、兄は「未来」を考えていました。
    また、知美は「女性」「女の人」、兄は「女」と言っています。
    気付いてくださってありがとうございます。
    当時はおそらくこういう言い方が一般的だったと思います。
    (さすがの私も生まれてはいませんでしたがw)
    私はどんな解釈をされてもいいんです。
    ただ、ポイントを突いて解釈してくださったことがとてもうれしいです。

    戦後の混乱を乗り越え、復興も進んでいて……という状況では仕方ないことですが、物価が上がるごとに国民の不満が少しずつ溜まっていっていたようです。
    安保闘争の一端なので一概に「これ」という原因を挙げることはできないのですが、そんな中、未来を夢見る若者、未来に悪夢を見る若者が多かったそうで。
    ただ、女性の身としてはそんなことは望んでいない、これまでに教育されたことで生きていくつもりだった、そういう女性がほとんどだったんじゃないかなと。
    たまにテレビなどでも安保闘争でこんなことがあった、こんな事件を起こした人物は現在こうしている、などとドキュメンタリーで流れたりしますが、その家族についてはあまり触れられないので、こうして物語にしてみました。

    丁寧に読んでくださったのがわかって本当にうれしく思うし、励みになります。
    ありがとうございました。

  • 6 金朱への応援コメント

    最初、ビールをくすねたのかな、と思ってから、ビール瓶をかわかす件で、え、と。そのあとの火炎瓶を作り家を出るまでの文章に、これまでの丁寧な描写が結びつき、おお、と感嘆の溜息が出ました。

    投げなくて、よかったんだろうな。と、思いました。
    面白かった、というのは少々場違いなのはわかってますが、面白かったです。

    作者からの返信

    くすねたのは空き瓶ですね。
    このラストのために、1話目で兄ちゃんがビール瓶を片付けるという描写を書きました。
    丁寧な描写、おもしろかったとのお言葉、とてもうれしいです。
    投げなくてよかった、というのは本当にそうだと私も思います。
    知美を犯罪者にしたくなくて、こうなりました。

    活動家の家族の話ってあまり表に出てこないので、きっとこういうこともあったんじゃないかな……と思って1万文字に詰め込んだんです。
    コメントたくさん書いてくださってありがたいです。
    本当にありがとうございました。

  • 4 矛盾への応援コメント

    なかなかに隠微な雰囲気が……。
    「私」は保守的、というより、いまのままの何が悪い、と抗ってるようにも見えますねえ。大人になることへ抗っているようにも。ただ、兄のそれは本当に大人のそれなのか?

    作者からの返信

    短大在学中は大人になるまでのモラトリアム期間という側面もあります。
    兄ちゃんは、大人になりきれていないかもしれません。
    というか、学生運動自体……あまり公に書くのは憚られますが……
    まあその、はい。

  • 2 倹約への応援コメント

    ソフター出始めの頃だったりするのかしらん?
    銀杏拾いは、確かに匂いとの闘い!

    作者からの返信

    日本では1962年に花王が売り始めたのが最初らしいです。
    そのあと、ライオンが。
    二社とも「ソフター」って商品名につけていたので、一般ぴーぽーは「ソフター」って呼んでたんですよね。
    実際うちの母も言ってました。
    靴下のゴムが弱くなりやすいというのも、都市伝説かもしれませんが、あったようです。
    柔軟剤一つでも調べは上がってるんだ!

  • 1 錯誤への応援コメント

    フムン。大学闘争時代(末期か?)、少し不穏な空気に、兄、か……🤔
    喫茶店は、いわゆるカフェーかしらん?

    作者からの返信

    「カフェー」って私は好きなんですけど、谷崎みたいじゃないですか?
    この頃はたぶん、「カフェー」がちょっと古臭く感じられていた時代だったんじゃないかなと思っていました。

    末期ですが、末期だからこその混乱みたいなのがあったっぽいです。

  • 6 金朱への応援コメント

    田舎の人が大学に進まないのは、費用の面の他に、こういうこともあるのかと思ったりもしました。
    世間のうねりは都市部で起こり、山村にはどこ吹く風。

    時代の波に乗り学生闘争へと発展していったあの時代、今だに何が起こっていたのか私は計りかねています。
    義憤、と考えればしっくり来るのかもしれませんが、その実やっていたのは他者の意見に寛容になれない人間たちの差別的衝動から来る暴力の連鎖だったのではないかとも思います。ちょうど、今起こっている民族対立、宗教対立のような。

    大学へ行き、学のある人間がこぞってその流れに乗っていったというのが、なんとも愚かしく感じてしまいます。
    真実を知ってじっとしていられなかった、と言えば聞こえはよくなるかもしれませんが、狭いコミュニティでの同調圧力と集団心理の暴走ともとれるものです。

    いつも思うのは、優しさと闘争心は両立するのだな、ということ。
    お湯を作りハンドクリームを塗る優しき兄と、集団のなかで活動に身を投じようとしていた兄。
    どちらも同じ、兄。あるいはその優しさ故に、槍玉に挙げられることになってしまったのか。

    当時の人間の話を聞いても、目的がなんなのか見えてこない部分があるのです。結局のところ思春期を引き摺った未分化の衝動のぶつけ何処が無かっただけのような気もするのです。

    彼女の日々の営みは、日陰であったかもしれませんが決して恥じるものでもなかったはず。
    女であることの苦しさ、不運さは、私の母でさえも口にしていました。女に生まれたせいで、こんな生き方しかできなかった。
    でも、活動家になろうとは思わなかったのでしょう。

    時代の狭間、変革の萌芽の時代の、悲しい物語だと思います。そんな時代を経て、なお、今この世間だとするならば……それはあまりにも悲しい人の世だと思わざるを得ませんでした。
    胸に刺さる物語でした。ありがとうございました✨

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。
    失礼ですがこちらでまとめて返信させていただきます。

    衣紋掛けは古い言葉です!
    危うく「ハンガー」と書きそうになって、直しました!

    大学生になって、制服を着なくなって開放感みたいなのもあったと思うんですよね。
    高校生もこういう活動をしてはいたようなんですが、それほど多くはなかったようです。
    兄ちゃんは優しさが仇になったというか、多くの人のために!と、まっすぐに考えてしまって……義憤です、まさに。

    誰かを傷付ける、殺すなんて犯罪なのに、犯罪とも思えなくなるくらい視界が狭くなっていたのかもしれません。
    いわゆる正しい意味での確信犯ということでしょう。
    兄ちゃんは巻き込まれてしまいました。

    女性にも人権を!社会への進出を!
    戦後やっと女性も選挙権が認められてからの話ですが、女性にも権利を与えよう!と息巻く人々と、じゃあこれまで女性がやっていたことはどうなるの?誰がやるの?という疑問が出る時代だったと思います。
    実際、学生運動に身を投じた女性も差別を受けていたようです。
    女性だからという理由で。

    冷蔵庫や洗濯機は普及していたようですが、それでも家事には時間を割かなければいけなかったんじゃないかなと。
    それに、帰宅して脱いだコートを何も考えず自然に妹に渡す兄です。
    そういう行為がもう身についている。
    妹はそれでよかった。
    なのに、知らない誰かに影響されて「女性も社会に」なんて言い出したわけです。
    そりゃ戸惑いますよね。
    改善されつつはあるのでしょうが、現代日本にも通じる問題かなと思います。

    お時間を割いて感想を書いてくださったことに感謝します。
    ありがとうございました。

  • 1 錯誤への応援コメント

    衣紋掛、という言葉。
    うちの祖父母も使っておりました。
    方言かと思っておりましたが、古めかしい言葉だったのですね✨


  • 編集済

    6 金朱への応援コメント

    こんばんは。
    怒り、ですね。今の時代ならば絶縁して独りで暮らしていくという道もあったのでしょうけれど、この時代は女性が独りで暮らしていけるほどの懐の深さもなく…もちろんいつの時代にもそれなりの生きにくさはあったのでしょうけれど、どうすればよかったのかなあ…究極「生きてさえいれば」ということになるのでしょうか…
    お兄さんも純粋な怒りで自分を支えていますが、少し経験すれば正義とか悪とかないことが分かるんですよね…生きること自体が戦いなのに…
    「花は、咲う。」に通じる祐里様のテーマ、確かに感じることが出来ました。ありがとうございました。

    作者からの返信

    はい、おっしゃるとおりで、1969年という時代にはおそらく今とは違う寛容さはあったと思うのですが、女性についてはその範囲が狭かったかもしれないですね。
    「生きてさえいれば」と知美は思うだろうけど、周りがそうは思わない、あそこの子かわいそうねと囁かれる、みたいな。
    兄ちゃんは、優しくて生真面目な長男として書きました。
    まっすぐすぎる感じです。
    なので、利用された感ありありでして。
    詳しくは書いていませんが、1万文字制限なければ三人称で兄ちゃんサイドも書いていたかもしれません。
    (そのために福沢諭吉先生のところへ取材に行っていたかもw)
    色々お考えになってコメントを書いてくださったのがわかって、とてもうれしいです。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  • 6 金朱への応援コメント

    何の気なしにつけたテレビから始まったドラマに見入ってしまうように、お話の中に引きずり込まれました。
    2人の慎ましい日々。すれ違っていく兄妹の考え方。そしてお兄さんの悲しい結末。その後の主人公の生活。
    ああ、私もこんな風に上手にお話が書けたらな、と思わずため息が出てしまうほど、素晴らしかったです。

    小説を読む時の最大の喜びは、思わず引き込まれて夢中になれる時間を過ごせる事だと思っています。
    このお話は私にそんな時間を与えてくれました。
    ありがとうございました!

    作者からの返信

    テレビドラマ見入ってしまう感じとおっしゃっていただけて、光栄です…!
    私は脳内に描いた映像を文章にしているので、ちゃんと文章にできたんだなと思えて。

    学生運動については色々記録が残っていて、たまにNHKのドキュメンタリーでも見られたりしますが、その家族はどう考えていたのか触れないんです。
    集団リンチはよくあったと聞いたことがあるけど、やっぱり触れない。
    そういうのを伝えていかないといけないのでは?という、怒りにも似た疑問をぶつけた作品です。
    まあ、私の十八番でもあるのですがw
    なのでお褒めのお言葉をいただけて本当に本当にうれしいです。
    ありがとうございました!

    編集済
  • 6 金朱への応援コメント

    お疲れ様です!読ませて頂きました。

    気安い兄妹の会話が良いなと思い始まりましたので、だんだん会話が合わなくなってくるのが悲しいですね。
    真面目な人ほど嵌まってしまうとも聞きますし。

    慎ましい生活の中で色々な「火」が出てきて、なかなか着かなかったストーブと遂に付けられなかった火炎瓶、切ないです。

    読ませて頂きありがとうございました✨

    作者からの返信

    ううう、さっそくお越しくださいましてありがとうございます。
    他のよりPVマシマシでド緊張しております……自主企画の影響ってスゴい……!

    そうなんです。
    会話がね、兄ちゃんがいわゆるあーいう方たちに影響されちゃってるので。
    「火」は「光」に入るだろうかと心配しながら書いておりました。
    そういうわけで火の表現にはちょっとこだわってたので、言及してくださってうれしいです。
    火炎瓶は凶器にならず。切ないですよね、やっぱり。

    こちらこそ、コメントありがとうございました!

  • 6 金朱への応援コメント

    自主企画への参加ありがとうございます(´▽`)
    この時代の大学に通うちょっと貧乏なインテリ男子学生、というところから嫌な予感がしていたのですがどんどん雲行きが……銀杏、銀杏の素揚げを食ってくれ!という祈りも届かず……だけど妹を最後に守ったのも、間違いなく兄貴だったのがせつないです。個人的に昔のストーブの灯油が燃える匂いがしてきたのがよかったです。ありがとうございました(*゚▽゚)ノ

    作者からの返信

    ストーブ、昔はあんなんだったなぁと一生懸命思い出しながら書きました。
    はい、雲行き怪しくなっちゃいました。
    そして銀杏は兄ちゃんには食べられませんでした。
    けっこう集団リンチはあったみたいなんですよね、あの頃……。

    コメントありがとうございました!

    編集済