New world war
@meso10
プロローグNo.1① 『侵略と動揺』
初めまして!!
初めて長文小説を投稿します。
読みにくい部分もあるかと思いますがお付き合い頂けると有難いです!!
---------------------------ここより本編----------------------------------------
2026年11月28日 20:00 アメリカ合衆国 ニューヨーク
感謝祭を経てホリデーシーズンが始まったばかりの雰囲気に華やぐ街には沢山の人々が溢れかえっている。
満面の笑みを浮かべて両親と手をつなぐ子供
街路樹の飾り付けを眺めながらゆっくり寄り添い歩く男女
店頭で忙しそうに働く男性
平和で幸福な世界、それがこれからも日常として続くと信じ、疑う事もない人々
そんな日常を破る思わず耳をふさぎたくなるような大きな音が響き渡る
ワシントンに突如不快な音が響き渡り直後にガラスを引っ掻くような、割れるような音の直後、上空に『亀裂』が現れる。
『亀裂』の向こう側には闇が蠢いて黒い靄が少しずつ漏れ出しているように見える。
その光景と呆然と見上げる人、スマホとカメラを向ける人、隣人と何なのか話をする人
一瞬の静寂を割き依然黒い靄を吐き出している『亀裂』から大きな何かが這い出して来る。
『それ』は左右の『亀裂』を掴むように現れるとバリバリと音を立てて『亀裂』を押し広げはじめる。
ただ見上げるだけの人々はその非日常の光景に絶句し誰一人として動くものはおらずじっと目の前の光景を見ている。
数秒の後、『亀裂』は大きな『穴』となり『穴』にしがみついた『それ』が這い出して来る。
『穴』から這い出した『それ』人間と同じ形をしているが、全身がゴムのような素材で覆われており、顔に当たる部分には目や鼻といった人間に有る器官が存在しない。
特に違うのは大きさである。
這い出してきた『それ』は10階建てのビルと同じ位の大きさで巨体にも関わらず2本足で地面に立ち上がる。
巨体が降り立つ衝撃で人々の意識が引き戻され次第に目の前の異様な現実に恐怖を感じ始める。
響き渡る怒声や車のクラクション、錯乱した男が発砲した銃声、子供の鳴き声。
『穴』や『それ』から離れようとする人々が一斉に動き出しD.Cの街中は途端にパニック状態に陥る。
逃げ惑う人間に全く関係なく巨大な『それ』ただそこに佇んでいる。しかし『それ』は1体では無かった。
最初の『それ』が広げた『穴』からは次々と同じ『それ』が這い出してきている。
姿や大きさが全く同じの『それら』は地上に降り立つと『穴』を囲むように立つ。
やがて20体目の『それ』が地上に降り立つと上空に空いていた『穴』が萎むように消えていく。
『穴』が完全に消失した後も『それら』は静かにその場に佇んでいる。
■同日20:30 ワシントンD.C 合衆国首相官邸
「大統領!ニューヨークの市街地に巨大な不明物体が現れたとの連絡が!」
「なにっ!?、なぜここの目と鼻の先にそんなものが現れるんだ!?軍の警戒網で察知出来なかったのか?」
「現場からの報告では空に大きな穴が現れて突然巨人が降ってきたとの事で…」
「なんだそれは!そんなSFファンタジーのような事を信じろというのか!君は!」
この国の最高権力機関の役人も突然の出来事に混乱しつつも事態の把握に全力であたっているが、いかんせん現場から上がってくる報告はそのすべてが到底信じられないような突拍子の無い報告ばかりで最高権力者への報告も取り留めの無い内容ばかりになってしまっていた。
「州兵でも海兵隊でも何でも構わないからすぐに現場の状況が分かるように手立てを考えろ!?」
突拍子もない報告に軽く頭痛を感じながらも苛立たし気に指示を出す。
「すでにニュージャージーのマクガイア空軍基地より偵察機を向かわせていますのでもうじき現地の映像をご覧頂く事ができます」
この報告に若干の冷静さを取り戻した大統領は補佐官の後ろを歩きながら思案する。
(巨大な物体だと?日本のサブカルチャーではないのだぞ…すべては偵察機の映像を見てから判断するしかあるまい…)
いまだはっきりとしない情報に頭を抱えながらこの後取るべき行動を考える。
補佐官に囲まれて移動した先は地下にあるシミュレーションルームである。
モニターには現場空域に接近する偵察機からのリアルタイム映像を映し出す。
雲の中を飛行しているらしくモニターには暗い雲の中の映像が映し出されている。
「偵察機まもなくニューヨーク上空に到達します。」
大統領が席に座ると同時に偵察機と交信を行っているオペレーターが報告する。
皆の視線が偵察機から送られてくる映像を映し出すモニターに向けられる。
雲から抜けた偵察機はニューヨークの市街地をカメラに収めるべく機首をその方向へ向けた。
そこにはクリスマスを控え煌びやかに装飾された街中に巨大で異質な人型の物体を多数確認する事が出来た。
「なんだ…あれは…」
モニターに映し出された存在にうまく言葉に出来ない。
「これより35分ほど前に突然、市街地に姿を現しました。周囲には巨大物体が移動した形跡も認めることが出来ず現在の所侵入経路等は不明です」
モニターから目をそらさずに報告を受ける。
「民間人の被害や避難の状況はどうなっている?」
モニターには民間人の姿は疎らに見られるがこの時期の市街地にはもっと沢山の人々が行きかっていたに違いなく市民の現状が気になる
「現在関係各所に確認中でありますが、現時点ではっきりしている情報としましては例の物体が現れた付近にいた民間人で約負傷者1500、死者110となっております」
立った数分のうちにそれだけの犠牲者が出てしまったことに心が痛む
「そうか…まずは現場付近の民間人避難を優先し、該当区画を隔離したのちあれが何なのか調査を行う。あれだけのでかさだ人口が多いといえど州だけの人間じゃとても間に合わないだろう…関係各所に応援をt」
大統領が指示を出し始めたその時、モニターに映る『それら』が動き出す。
「大統領!巨大物体に動きが有ります!」
その声に再びモニターに視線が集まる。
円形に等間隔で並び立っていた一つの『それ』が腕と思わしき部分をゆっくりと持ち上げていく。
腕が真上まで持ち上がった瞬間『それ』一体一体の頭上にとてつもなく巨大な火の玉が現れる。
「いったい何をしようと言うのだ…」
『それら』によって出現した火の玉はさらに大きさを増し『それ』を大きさを優に超え、直径100m程度になっている。
巨大に育った火の玉を『それ』は何の狙いも無くただただおもむろに腕を振り下ろすだけで放り投げた。
向かう先は民間人の避難か終わっていない区画。
火の玉の落下と同時に巨大な火柱がたち立ち並ぶ高層ビルは火柱の高熱と衝撃による爆風によりある物は溶け、ある物は砕け散るそれらは一瞬の出来事であった。
爆心地に居た人々は自分が爆発に巻き込まれた事にも気づく事も出来ずに蒸発してしまった。
後には直径1km以上のクレーターが出来上がりその周りに建っていた建物も完全に倒壊してしまっている。
「今のはなんだっ!巨大な人間のような物体が火の玉を作って街中を攻撃しただと?出来の悪いB級映画じゃあるましこんな非現実的な事が起こってたまるかっ!!」
目の前の映像は目を覆いたくなるような惨事である。
それまで存在していた人・物・建物全てが破壊つくされ後には直径1km超の大穴のみである。
「どうやら火の玉はセントラルパークに落とされたようです…」
「現地の州知事に連絡し直ちに負傷者の救助にあたれと伝えろ!こちらも援助は惜しまん!それと空軍に出動要請だ!攻撃機を直ちに発進させ事態の解決にあたれ!あれの目的は解らんがこれ以上我が国の領土と国民へ危害を加えられる事は阻止せねばならん。この国に喧嘩を売ったことを後悔させてやらんとな…」(バキッ!)
手に持ったペンが折れた事にも気づかずモニターの中の『それら』を睨み続ける。
------------------------------------ここまで-----------------------------------------------
この小説に出てくる人名、組織名は全てフィクションです。
同名の人物、組織が有っても全て関係の無いものですのであしからず。
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