神様の憂鬱-14 次世代の面接

 ここ最近は平和な日々が続いている。GPも順調に貯まってきた。って、思った以上に利息が大きかったんだよ。


 今までジリ貧だったのは、ナビくんがしこたま利息をヘソクリしていたのだが、先日ついに全部を取り上げることに成功した。2万GPも隠してやがったよ!


 取り上げたら思いっきりスネてしまい、ナビくんのサポートがなくなって世界の管理が大変になってしまった···。


 このままだと埒が明かないので、お小遣い制にしておいた。これで解決できたな。


 一方のアキくんは、なんとムーオの世界からやって来た神と接触していた!ホント、仕込んでもないのになんでアキくんは巻き込まれるんだろうな?よっぽど運がないんだなぁ~。


 えっ!?『お前が体を創ったし、核を仕込んでるじゃねーか!』だって?それは運には関係ないだろ?


 まぁ、向こうもムーオの捕縛がメインなら、手助けするか!ちょっと直に交渉しよう。


 姿をアキくんに見られるわけにいかないので『SOUND ONLY』にしておいた。偉そうでいいだろ〜!


 話し合いの後にアキくんが罵声を浴びせてきたが、残念!キコエナーイ!



 お〜!?ジーンから力を与えられて子どもたちが変身したけど、まるで某戦隊モノだな!かわいいなぁ~!技の威力はシャレにならんけどな。


 しかし、合体魔法ね···。やっぱあの子たちはスゴイわ。ある意味、初代神狼族のレオよりも強いんじゃないかな?


 ···もしかして、絶滅に瀕したから生存本能が超強化されてる?そう考えたら納得だわ。共有能力もとんでもないし。



 次は建国祭かぁ〜。格闘技戦もいい戦いだったなぁ~。


 せっかくだし、またラーメン屋台やるか!みんなにごちそうしてあげるか。お金取るけどな。


 子どもたちにしょうゆとみそのレシピを渡しておいた。これで食文化がさらに進むな!世界の完成を早めるため、頑張って広めたまえ。


 建国祭が終わり、アキくんたちは北へ向かったが、ムーオの手下···、ってか異世界の神にハルちゃんが遭遇したな。好きに魔獣を召喚っておっそろしいモノ作りやがったな。


 でも、最終決戦が近いかもしれないな。こちらも準備しとくか!



「ナビくん。次の整調者ピースメーカーの選定を始めようか?」


「ふっふっふー!こんな事もあろうかと、今回もすでに選定済だよー!」


「早っ!どれどれ〜?···ナビくん?この子はちとマズいと思うんだけど?」


「何言ってんの?サプライズがある方が面白いじゃん!まぁ、やってくれるかは本人次第だけどね。たぶんやってくれるよ?」



 やってくれるだろうけど···。アキくんからさらに恨まれそうだなぁ~。



 アキくんたちの旅を見ていると、整調者ピースメーカー候補者2人にも接触していたよ。···ホント、なんでこんなにフラグ立てまくれるんだろうなぁ~?




 そう言えば、来年はアキくんの子どもたちが成人するんだったな。クリスマスプレゼント渡してなかったなぁ~。


 まぁ、あんまり介入したらおせっかいだから、成人前の1回だけプレゼントするか!



「もしもし〜?ジーンさん?」


『おや!?これはエレさんではないか?どうしたんだい?』


「実は子どもたちにクリスマスプレゼントをあげようと思うんだけど、どういったプレゼントがいいか聞いてもらえないかな?」


『『くりすますぷれぜんと』って、贈り物や願いかな?よくわからないけど、聞くだけならいいよ。どれぐらいまでOKなんだい?』


「50GPぐらいかな?」


『おおっ!?個人に使用するGPの量じゃないね~。ほぼなんでもできちゃうね~』


「ははは!まぁ、ちょっと個人的な事情でね。よろしく頼むよ」



 そうしてジーンに聞いてもらった子どもたちの願いは『地球観光』だったぞ!?


 いいセンスだ!とてもいい経験になるし、世界発展にもつながるぞ~!



 地球観光は思いっきり楽しんでもらえたようだ。それはいいんだけど、エーレタニア的にはオーバーテクノロジーなんだよなぁ~。物品はあんまり大っぴらにしてほしくないから、『関税』かけちゃえ!


 しめて650万ジールだ!きちんと積算してないから大ざっぱで適当な金額だけどな!


 ははは!アキくんとリオは顔が真っ青になってるなぁ〜!もちろん、全額払っていただきましたよ!これも神を辞めたあとの引きこもり資金にさせていただきますとも!



 さて、そろそろ面接しておくか!




「おいゴラァ!こんなとこで勝手に寝るな!営業の邪魔だ!あっち行きやがれ!!」


「うわっ!?なにするんだ!?」


「それはこっちのセリフだ!憲兵に突き出すぞ!!」


「ちっ!わかったよ!」



 まず1人目はヨウくんね。先代のテリーからの推薦だけど···。ちょっと常識ないし、ネタ枠かなぁ~?そういえばナツちゃんにけちょんけちょんにやられてたけどな。


 まぁ、斥候に向いてるか微妙だけど、スカウトしてみるか。



「こんばんは。ちょっと話いいかな?」


「···なんだよ、オッサン?金ならないぞ。さっきメシ食ったらなくなっちまったからな」


「···無計画に使ったな?で、宿代がなくて軒下で寝ようとしたら追い出されたってか」


「ケンカ売ってんのか!?」


「いや、ちょっとキミをスカウトしようかなと思ってね?ブートの里出身のヨウくん?」



そう言ったら一気に後方に下がって間合いを取った。警戒されちゃったなぁ~。



「テメェ···。何者だ?なんでオレのことを知ってやがる!?」


「テリーさんからキミの事を聞いてね。優秀な・・・斥候だってね」


「テリーの兄貴から!?」


「そう。話を聞いてくれるだけで今夜の宿と明日の朝食をごちそうするけど、どうかな?」


「···わかった」



 (ニヤリ!)計画通り!


 常識ないから、そんなに怪しまれずにこの程度で釣れてしまったな。もっと人を疑うことを心得た方がいいぞ~!今回のネタ枠だな!あっさりとスカウト成功したぞ。


 『完全ステルスでナツちゃんに勝てる力』だなんて、単純すぎるわなぁ~。こりゃたぶん今回も勝てんわ。



 さて、次が厄介だぞ!気合い入れて夢の中にお邪魔しますよ~!



「···えっ!?ど、どちら様!?」


「こんばんは。夢の中にお邪魔させてもらうよ。私はこの世界の神なんだよ」


「か!?神様!?ぼ、僕にどういったご用件ですか?」


「実は、キミに次代の整調者ピースメーカーになってもらいたいんだよ」


「僕が整調者ピースメーカーにですか!?」


「そう。実は大きな戦いが近々起きそうなんでね。以前、大魔王ムーオとの戦いではドラゴン族から1人出てもらって空中庭園に乗り込んだという実績があってね。今回もそういった人材を探していたんだよ」


「で、でも!僕は以前の白銀竜のリオさんみたいに魔法を扱えないです!武器を使うのも苦手だから···。申し訳ないんですけど、お役に立てるとは思えないんです」


「え?そんな事ないけど?その元整調者ピースメーカーのリオに魔法の極意を教えてもらったんでしょ?だったら大丈夫!

 現に、キミはそんじょそこらの連中より魔法が使えてるんだよ?」


「···えっ!?リオさんって、本当にあの整調者ピースメーカーのリオさんだったんですか!?」


「そうだよ。まぁ、リオ本人が隠していたってのもあるけどね。後遺症で姿が若返ってしまってるし」


「そうだったんだ···。どうりでリナとケンは魔法がうまいわけだ···」


「まぁ、あの子たちに資質があったってのもあるけどね。だから魔法の実力に関してはまったく問題ないし、さらにはアキくんとリオから高速飛行魔法も教えてもらったでしょ?私が必要だと思うし、チームに大いに役立つんだ。どうかな?」


「···本当に、こんな僕が役に立つんですね?」


「ああ。神が言ってるんだ。キミは、これまで人並み外れた努力で、魔法を使いこなそうと頑張っていたのを、(リナちゃんと仲良くしているところも込みで)ちゃんと見ていたよ。キミ以外にいないんだよ」


「···わかりました。そのお話、受けさせていただきます。リナを守ることにもつながるし、リオさんとリナの魔法は世界を救えるって事を示してみます!」



(ニヤリ!)計画通り!!



「じゃあ、神の力を貸し与えて、任務完了したら返却してもらって、一部は褒賞としてあげるよ。何がいい?」


「魔力量をお願いします。これしか取り柄がないので···」


「そんな事はないぞ?キミにしかない魅力だってあるんだぞ?じゃないとリナちゃんはキミを好きになってないぞ?」


「ふぇええ〜!?そ、それはぁ···」


「ははは!まぁ、リナちゃんは整調者ピースメーカーについて怒るだろうから、告白しちゃったらいいと思うよ。そうすれば怒るのも収まるだろうからね!」


「こ、告白ぅ~!?」


「まぁ、ゆっくりと考えてね。承諾のサインを今もらいたいけど···、お父さんの了解を得てからでいいからね。また夢の中で会おう!」


「は、はい。よろしくお願いします!」



 さーて、面接は終了!どうなるかな?

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