リオ過去編-09 全員集合だぞー!

『リオくん···。リオくん?おーい!リオォ!!起きんかぁーー!!』

 

「わーー!?な、なんだー!?頭の中に直接声が響いてるぞー!?」

 

『はあっ!はあっ!やーっと起きたか!ぐうたらし過ぎだろ!?』

 

「別にいいだろー?オレの人生だから好きに生きてるだけだぞー」

 

『···いいなぁ~!うらやましいなぁ~!オレもそんな生活したいんだけどなぁ~!···どうやって神を辞めようかな?』

 

『ちょっと、エレくん!?まだまだ働いてもらわないと世界が崩壊しちゃうぞ!?もうちょっと頑張ったら準備が整うから!』

 

『ナビくん···。結構ドSだなぁ〜。わかったよ。もうちょっと頑張るよ』

 

「なんか物騒な話が聞こえたぞー?」

 

『おっと!?マイクオフにし忘れてたか!?···ゴホンッ!リオくん。整調者ピースメーカー全員が内定したので、今から言う場所で集合してもらえないかな?』

 

「おう!で、どこに行けばいいんだー?」

 

『カイジの町の領主邸に行ってもらえるかな?キミも知ってる場所だろう?』

 

「カイジだってー!?パイルさんのいるところじゃないかー!って事はパイルさんが整調者ピースメーカーになったのかー!?」

 

『それは行けばわかるよ。よろしくね~!』

 

「あっ!おい!!···切られたぞー。とにかく、カイジに行けばいいんだなー?じゃー、行くぞー!」

 

 

 こうして長年使ってた拠点を離れて、オレはカイジへ向けて飛んでいったんだー。

 

 魔力量がハンパないから竜モードなら長時間飛べるなー!青竜と同じぐらいじゃないかなー?

 

 そして、その日の夕方にオレはカイジの町に着いたんだぞー。

 

 まずは門番にあいさつだなー!久しぶりだぞー!って、あれから結構経ってるから忘れられてるなー。ドラゴン族の寿命は長いから、感覚が違うしなー。

 

 

「ようこそ、カイジヘ!旅行ですか?留学ですか?」

 

「いやー、ここの領主邸に用事があるんだけど、パイルさんってまだ門にいるかー?」

 

「パイル様ですか?多分、まだいらっしゃると思いますが?」

 

「じゃー、リオが来たって伝えてくれないかー?」

 

「はぁ···。わかりました。ちょっと列から離れてそこのベンチで座って待ってもらえます?」

 

「おう!よろしくなー!」

 

 

 そうして待つこと15分でさっきの門番が来たぞー。

 

 

「お待たせいたしました!パイル様がお会いになるそうです。どうぞ、こちらへ!」

 

 

 こうして案内されて、パイルさんの部屋に通されたんだぞー。

 

 

「おお!?リオ!久しいな。元気そうで何よりだ」

 

「おう!パイルさんは···、ちょっと老けたなー」

 

「ははは!さすがにドラゴン族ほど人は長生きできぬからな。···そろそろ息子と娘に譲って隠居を考えてるのだよ」

 

「おっ!?カーネに妹ができたのかー!?」

 

「ああ。2つ下だ。魔法が得意でな。カーネは私に似て体格に恵まれたから兵士として最前線で戦ってるぞ」

 

「はー、あの赤ちゃんがねー」

 

「そうそう、今日はどうしたのだ?領主邸に用事とのことだが?···まさか!整調者ピースメーカーになったのか!?」

 

「なんで知ってるんだー?その通りだぞー」

 

「···そうか。うちのカーネとアイリも、整調者ピースメーカーに内定してるのだよ」

 

「···は?そ、そうなのかー!?」

 

「そうなのだ···。まさか兄弟で整調者ピースメーカーになってしまうとはな···。神の頼みとは言え、万が一を考えるとな···」

 

「そう心配すんなー!オレがついてるぞー!安心しろよー!」

 

「ははは、ありがとう。そうそう、今回は5人だそうだな。まだ2人が到着してないが、ゆっくりとくつろいでくれ。もう少ししたら私の仕事も終わるのでな。一緒に帰るとするか?」

 

「おう!わかったぞー」

 

 

 それから30分ほどでパイルさんの仕事は終わり、一緒に領主邸に向かったんだぞー。そしたら玄関でヒルダさんが待っていたぞー。

 

 

「リオ、久しぶりですね。元気そうでなによりですよ」

 

「おう!ヒルダさんも元気そうだなー!」

 

「いえいえ、この通り、だいぶ年をとりましたからね。リオのようにいつまでも元気でいたいものなんですけどね」

 

「まー、あんまり無理しちゃダメだからなー。そういえばカーネはどうしたんだー?」

 

「あの子は中庭で鍛練してますわ。もうすぐこちらに···、って言ってるそばで来ましたわね」

 

 

 んー?遠くからドスン!ドスン!って音が近づいてくるぞー?···え?も、もしかしてー!?あの大男がカーネなのかー!?

 

 

「おお!親父!お帰りなさい!!···そして、その横にいるのは誰だ!?」

 

「カーネ!客人に対して失礼だろう!?こちらが以前から話していた白銀竜のリオだ。お前とアイリとともに整調者ピースメーカーになった者だよ」

 

「おっ!?そうなのか!オレはカーネだ!よろしくな!リオ!」

 

「···おー。あの小っちゃくてかわいかった赤ちゃんがこうなるのかー。びっくりだぞー。そうそう、オレはリオだぞー。よろしくなー」

 

「ドラゴン族は初めて見たが、あんまり強そうに見えないな?親父からは魔法専門って聞いてるけど、そうなのか?」

 

「そうだぞー。オレの兄貴たちは人型になったらカーネ以上の体格をしてるけどなー。オレは力がないからこんな小柄だぞー」

 

「小柄でも普通の青年って感じだな。まぁ、実力は後で見せてくれよな!」

 

 

 簡単な自己紹介を終えて、みんなで応接間に向かったぞー。そこには女の子がいたんだなー。この子がアイリかなー?

 

 

「あら?お父様、お母様に兄さん。そして···、そちらの方はどちら様かしら?」

 

 

 おー、カーネとは違って丁寧な子だなー。

 

 

「アイリ。こちらが以前から話していた白銀竜のリオだ。アイリと同じく整調者ピースメーカーになったのだよ」

 

「まあ!あなたがそうなのですね?初めまして。アイリと申しますわ。主にバフ・デバフ系と回復魔法を得意としておりますのよ。よろしくお願いしますわ」

 

「おう!リオだぞー。オレも魔法専門だなー。ちょっと体術も使えるけどなー」

 

「そうなのですね?では、後でお相手願えますか?ちょっとした人体実験···、じゃなかった、魔法での試合をしてみたいのですわ!」

 

「···今、人体実験って物騒なことを言わなかったかー?」

 

「気のせいでは?」

 

「···まー、いいか。仲間の実力を知るのも大事だからなー。全員揃ってからだぞー」

 

 

 そんなやりとりをしていると、メイドさんから残りの2人がやって来たって連絡が来たんだぞー。今日中に全員が集まるんだなー。

 

 そうして入ってきたのは犬獣人の男とウサギ獣人の女だったんだー。

 

 

「おっ!?この人たちでメンバー全員揃ったって事かな?オレはオルってんだ。よろしくな~!」

 

「隣の人もそうだけど、この人たちも強そうね~。私はネータよ。よろしくね~!」

 

 

 こうして、この世代の整調者ピースメーカーが全員揃ったんだなー。まさか任を終えてからも長い付き合いになるとは思ってもいなかったんだなー。

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